10.ゲームセンター(1) ページ12
「よし相良、ダンスゲームをしよう！」
「本業の人と…？まぁいいか、受けて立つ」
向かう途中で仲が良くなったらしい守沢さんと侑介は、ゲームセンターに着くと二人でさっさと中へと入ってしまう。
取り残された俺と薫、瀬名さんは顔を見合わせ、とりあえず中を回ることにした。
「クレーンゲーム、結構たくさんあるね。……あ、あのキャラ知ってる」
「A、迷子になるから一人でふらふら行こうとしないの」
「迷子って俺…、っ！」
高3だよ、と続けようとしたら、薫に手首を掴まれ全部が固まった。
じわりじわりと手首から全身に熱が広がる。
顔が、身体が、あつい。
「ん？あのぬいぐるみ欲しかったり…？」
「ぅえっ！？あ、あー…うん、そうなんだよねー…」
どうごまかしていいか分からず、頷けばそちらのほうへと行ってしまった。
それと一緒に薫の手は離れてしまい、物寂しいような気持ちになる。
掴まれていたところをそっと触れれば、まだそこは熱を持っているような気がした。
「あんた……」
「…ん？どうかした？瀬名さん」
「……いや、なんでもない。
ちょっとかおくん、今度はあんただけさっさと行かないでよねぇ！」
「？」
あの視線は、何だったのだろう…。
気にしてもしょうがないと思い、俺も二人の後をついて行った。
「っあ〜……また取れなかった…」
「薫、ものすごく惜しかったよ今の…！待って、俺がもう一回…！」
「…こんな間抜けな顔したぬいぐるみのどこがいいわけぇ？」
「「ここまで来たら取りたくなる！」」
「あっそ…」
このゆるっとしたキャラへの闘志丸出しの俺たちに対して、呆れ気味の瀬名さん。
この子に何円貢いだか分からないが、なぜだかこの子だけは諦めてはいけない気がする。
諦めたら負けな様な、そんな感じ。
「う〜…っもう少しなんだけどなぁ…」
「煽るような顔して余計取れないことに苛立たせるよね…」
「ぬいぐるみ相手に何を…。はぁ…ちょっと俺にやらせて」
俺の隣に立った瀬名さんは、硬貨を入れるとぬいぐるみと向き合う。
すると、ボタンを巧みに操り、いとも簡単にぬいぐるみを取ってしまった。
払い出し口から取ったものを俺に渡してくれる。
「ありがとう…！瀬名さんすごいね、一発！」
「ふん…あんた達取るの待ってたらずっとここから離れなさそうだしねぇ？」
「せなっちせなっち、もっと他のもやろう！？」
「はぁ！？ちょっ、押さないでよ〜っ！」
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桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます！読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……！ (2017年3月27日 11時) (
レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね！ (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……！;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります！！ (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - ２人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐明 | 作成日時：2017年3月26日 21時
