新しい世界でハッピーシュガーライフ

３０．裏切り者は死をもって…〜中編〜 ページ32

中也side

何で彼奴はこんな仕事を何とも無いような顔で出来るんだ…？

確か前聞いた時には元の世界にはこんな物騒な事は無いって言ってなかったか？

そんなことを思いながら俺は車から降りてくるAを見た。

「どうかしましたか？何か気になることでも？」

「あ、いや、何でもねぇ。芥川、あくまで今回はAの技量を図るための簡単な任務だからでしゃばりすぎんなよ」

「分かっています」

『準備、出来ました』

そう言ってブレザーを脱いで銃を持ったAがやって来た。

「じゃあ、行くぜッ！」


夢主side

突入してからは順調に進んだ。

裏切りがバレていないと思っていたのか社員は普通に仕事をしていた。

「ポートマフィアだッ！動くなッ！」

『銃の横流しをしているという情報が入りました。残念ですが、裏切りとして処分させていただきます』

「なっ…！？」

驚き固まってる人達の方に銃を向ける。

『【ハッピーシュガーライフ】』

本当は異能を使わなくても良いのかもしれないけど此方の方が命中率が上がるからね。

私は一人、また一人と確実に仕留めていった。

中也さんと龍君も私が撃ち損なった人を異能で殺している。

『ふぅ、終わりました』

かなりの量だったためだと5分近くかかってしまった。

「じゃあ、逃げちまう前に上に行くか」

血の海になったオフィスを放って私達は上へと向かった。

社長室を開けると案の定窓から逃げようとしているところだった。

「ひぃっ…！！」

『こんなに高いところから落ちても無事じゃすみませんよ？』

私が少し馬鹿にしたような声音で言うと彼は此方を睨んで叫んだ。

「お前らに拷問され酷い殺され方をされるよりもマシだっ！！」

そう言って飛び降りた彼を異能力名を唱えながら追いかけ、私も飛び降りた。

此のビルは五階建て。

私の異能だったら普通に着地出来る高さだ。

私は社長の首を掴むとすとんと着地した。

気を失ってしまった彼を抱えると車の中に縛り付けた。

すると中也さん達二人が走って降りて来た。

「手前もなかなか無茶するよな」

『ふふ、そうですか？次からはもっと慎重に行動しますね』

私が笑うと彼は私の頭を撫でて「そうしろよ？」と笑い返して来た。

「中也さん、そろそろ行かないと巻き添えを受けてしまいます」

「あ、そうだった。A、芥川も早く車に乗れ」

私達が乗ると直ぐに出発した。

その直後に爆発音が聞こえ、ビルは炎に包まれた。

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