新しい世界でハッピーシュガーライフ

２８．ちびっ子三人組 ページ30

夢主side

「エリスちゃんがケェキを食べたいらしいのだが、生憎と私はこれから会議でね」

『エリスちゃん達、とはどういう意味ですか？』

「実は君にお願いがあってね。Qも連れて行って欲しいんだ」

『Qちゃんもですか？』

そう私が聞き返すと森さんは何とも言えない表情で頷いた。

「エリスちゃんがケェキを食べに行くという話をしたら、彼には珍しく駄々を捏ねてね」

すると森さんの隣にいつの間に立っていたエリスちゃんが言った。

「という事で二人ともっ！ケェキを食べに行くわよ！」


「僕外出許可が出たのなんて初めて！Aさん、ありがとうっ！」

現在、お昼過ぎ。

私は三人を連れて街まで来ている。

「私、この前から気になっていたお店があるの！其処にはケェキだけじゃなくて色々なスイーツがあるのよ」

『じゃあ、其処に行こうか』

そう言うと、エリスちゃんは「こっちよ！」と走り出した。


「Aちゃん、凄く美味しそうだね！」

『そうだね、しおちゃん。Qちゃんも好きなの選んで良いよ、お金は森さんから貰っているし』

私が声を掛けるとQちゃんは皿を持って走って行った。


「ふぅ…とっても美味しかったわ」

満足そうに笑うエリスちゃんに目を輝かせているQちゃん。

『まだ時間はあるし、色んなお店を回ろっか』

すっかりと仲良くなった三人に声を掛けて私達は街を歩き出した。


『そろそろ時間だし、次のお店で最後にしようね』

そう言って入ったのはおもちゃ屋さん。

沢山買い物をしたのにお金はまだ余裕だ。

…森さんの金銭感覚ってどうなっているんだろう。

『何か欲しいものがあったら言ってね』

すると三人は奥の方へと走って行った。

「私達、此れが欲しいわ！」

五分くらいすると三人とも腕に何かを抱えて帰って来た。

見てみると、其れは色違いのくまのぬいぐるみだった。

しおちゃんが水色、エリスちゃんが赤色、Qちゃんが白色。

私が『お揃いだね』と言うと三人はとても可愛らしい笑顔で頷いた。


会計を済ませて外に出ると辺りはもう暗くなり始めていた。

私は行きがけに送ってくれた黒服の人に電話を掛ける。

そして車に乗ると、マフィアに帰って行った。

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