新しい世界でハッピーシュガーライフ

２４．Qちゃん ページ26

夢主side

「お姉さん達、優しいんですね！」

その子は夢野久作…Qちゃんというらしい。

また文豪の名前だな、もしかして…

『Qちゃん、何処に住んでるの？』

「ポートマフィアだよっ」

やっぱりそうなのか。

「送り届けるのは良いとしても、その前に駄菓子屋に行こうね」

という乱歩さんに頷くとQちゃんに聞いてみる。

『ポートマフィアってことはQちゃんも異能力とかあるの？』

「あるけどお姉さん達は大丈夫だよ、首領に傷つけないよう言われてるから！」

森さんに言われたって、どんな異能力なんだろう…。

今度太宰さんに聞いてみようかな。



「お菓子がたくさんあるーっ！」

そう言いながら奥へと走って行った二人。

だいぶ仲良くなったようだった。

乱歩さんはというと、もう両手にたくさんの駄菓子を持っていた。

『乱歩さん、そんなに買うんですか？』

「Aちゃん、こんなにあるからって君に僕の駄菓子はあげないからね！」

そう言って駄菓子を守るように抱きしめた。

『大丈夫ですよ』

駄菓子への愛が凄い。

「Aちゃん、これが欲しい！」

欲しいものが決まったのか二人が近寄ってくる。

実はこの前しおちゃんと再会した時に倒した人達には賞金が掛かっていたのでそれなりにお金がもらえたのだ。

『じゃあ買いに行こっか』


「ありがとう、Aさん！僕買い物したの初めてだよ！」

しおちゃんとQちゃん、二人並ぶと可愛さが増すな〜。

そして駄菓子を食べている乱歩さんは置いて、三人で仲良く話していると本部まで着いた。

『松坂です。森さん、失礼します』

ドアをノックして入ると、中也さんや姉さんもいた。

「A君…？今少し大事な話を…あ」

そう言ってガタリと椅子から立ち上がった森さんに周りのみんなも此方を向く。

「Qじゃねーか！A、お前が連れて来たのか？」

『駄菓子を買いに行く途中で見つけて…』

「大丈夫か？私たちも今から探しに行こうと思っていたんじゃ」

『大丈夫…？すみません、駄菓子屋に行っていたので遅れてしまって』

大丈夫、とはどういう意味だろう。

「A君達が大丈夫なら良かったよ。今日は特別な任務だったからQを同行させたのだが、黒服達の失態でいなくなってしまって」

『そうですか…。では、そろそろ帰らないといけないのであとはお願いします。座敷牢に戻る時に駄菓子は取り上げないで下さい、折角買ったものなので』

と、お辞儀をして探偵社へ戻った。

２５．敦君のトラウマ→←２３．蟹料理

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す