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透明16 ページ17

何だこれ…水?
違う…これは何だろうか
色がない液体がこぼれ落ちていく

gr「楽になれ。独りで抱え込んでいるからそうなる」

『っ……うるさい…グス…な、んで人、なんかに…話さなきゃ…』

gr「…そうだな…人と話したくないことは良くわかった。だがな?お前はこのままでは壊れてしまう」

生徒会長は
ハンカチを僕の目に押し付けながらそう言った

『いい、んだ…僕はレイが、死んだら、死ぬつ、もりだから』

gr「…やはり死にたいのか?」

僕は頷く。首が取れるほど頷いた

gr「だが死んで欲しくないと願っている奴がいるかもしれないぞ?」

『そ…そんな訳ない!』

思わず叫ぶ

『それはありえない…僕は…僕はっ!』

gr「落ち着け!」

少し威圧的な声に、僕の口が止まった
それに対し、奴は優しげな話し方に戻る

gr「俺は、お前に興味がある。死んで欲しくはない。お前のその「死にたい」という気持ちを直ぐに変えることは出来ないが、いつか変えてやろうと思っている」

…………

gr「まだ他人が信用ならないのは分かる。だが、目の前の一つの命に興味を持った以上、俺はお前の生きている姿を見ていたい。だから…」

奴の目を見る
真っ直ぐ、真剣で意志を持った目で
僕を見つめ返していた

gr「俺の為に生きてみないか」

途端に、先程までより
激しく涙がこぼれ落ちていった
嗚咽も漏れる

『っ……ぅあぁぁぁ…』

縮こまり、膝に顔を押し付ける
涙でズボンが濡れる
背中を誰かが撫でている
それが優しくて、暖かくて
涙が止まらなかった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

10分程経っただろうか
ようやく止まった涙
その間、生徒会長は
ずっと僕の背中を撫でていたらしい

男に触られているのに
あまり怖くなかった

gr「…よし。少しは楽になったか?…スッキリした顔をしているな」

顔を上げ、生徒会長を見たらそう言われた
…泣くことを忘れていたからか
久しぶりに泣き、確かにスッキリした

…此奴に、僕は心を許したのか
今迄、長い間恨んでいた人間なのに
こんな短期間で…
だが、それはストンと心の落ち着き

『……ごめん』

まだ鼻声の声だったが…そう言えた
それに対し、生徒会長は目を見開き、微笑んだ

gr「フッ…きちんと言えるじゃないか。だが、お前が謝ることはないぞ」

そう言って、頭を撫でてきた

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志麻セン寄りのcrew - いえいえお役にたてたなら良かったです!! (2019年6月13日 7時) (レス) id: e4b55a25ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 志麻セン寄りのcrewさん» はっ!間違ってました!教えていただき、ありがとうございます!!う (2019年6月13日 7時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
志麻セン寄りのcrew - 透明0男は僕にいつも処理させられたなんですけど僕は男にいつも処理させられたじゃないですか? (2019年6月13日 7時) (レス) id: e4b55a25ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他2人 | 作成日時:2019年6月3日 3時

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