103号室:至の部屋 ページ17
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「至さーん」
部屋に戻ると、いつものゲーム音はなく静かだった。
ゲームしてないのかな。
キョロキョロすると、物が散乱している部屋の真ん中のソファに横になっている至さんの姿。
こ、これは…!
寝顔ゲットのチャンス…!
ソファの近くのテーブルにチョコケーキを置き、起こさないように至さんの近くに寄った。
結構深い眠りらしく、
ケーキを置く時に「カチャン」と音がした時も
全く反応がない。
いつも干物の時は気だるそうな瞳も今は閉じられてて、長いまつ毛が見えた。
それにしてもやっぱり顔がいいなー、至さんは。
ジーっと眺めていると、
写真を撮りたくてウズウズしてきた。
そっとケータイを取り出し、
カメラのレンズを至さんに向ける。
「い、1枚だけなら…」
と、撮ろうとした時
「やーん、盗撮だなんて えっち」
「!!!!?」
カメラ越しにニヤニヤ微笑む至さんと目が合った。
「お、起きてたんですか!?」
「途中からね」
フッと笑みをこぼす。
「ちぇっ、せっかくの寝顔撮り損ねた」
「撮らせないよ」
至side______________________________
そう言って、俺はテーブルに目を向けた。
「これなに?」
「あ、それ臣さんが作ったチョコケーキです!美味しいですよ!」
これ至さんの分です、とAがケーキを俺に渡す。
「ふーん」と言いながらケーキを手に取った。
あれ、
「フォークない」
「あ!ホントだ!忘れてた!」
慌てるA。
「ちょっと取りに行ってきますね!」
んー、ちょっと、意地悪してみようかな。
Aを見ながらニヤリと笑みを浮かべる。
「なっ、なんですかその顔…」
「何ってなんだろうね」
グイッとAの腕を引いて、ソファの隣に座らせた。
「わわっ、ちょ!」
状況が分からず慌てるA。
そんな君に俺は、
「フォークないなぁ〜」
ちょっとしかけてみる。
「だ、だから今取りに行こうと…「ダメ」
「今すぐ食べたい」
俺の意図が読めないみたいで、
困ったように眉を下げるA。
あー、その顔ダメ。
もっと意地悪したくなる。
「だから、さ」
Aの唇に手を当てた。
「食べさせて?」
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ぽっぷんぺ ∂(プロフ) - 夜桜霙さん» コメントありがとうございます!!更新の励みになりました!がんばります…! (2017年9月6日 19時) (レス) id: 1dd4cba745 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜霙(プロフ) - あ、やばい、至さんかっこよすぎて昇天しそう…更新頑張って下さい!! (2017年9月4日 18時) (レス) id: a43026bb5f (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぷんぺ ∂(プロフ) - 和風和菓子姫さん» コメントありがとうございます!たるち可愛くさせるのが好きで…笑← 更新の励みになりました! (2017年9月2日 17時) (レス) id: 1dd4cba745 (このIDを非表示/違反報告)
和風和菓子姫 - え、ちょ、たるちが可愛いすぎるぁぁぁぁぁ!! (2017年9月1日 1時) (レス) id: 6f0a98566f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなみ | 作成日時:2017年8月26日 17時