始まり1 ページ1
俺は、暗い穴の中で生まれた。
近くには、親と兄弟が居る。
ずっと親は、母は、俺を守ってくれた。
ある日、外に出ることができた。
近くに森がある。
そこに入っていたら、突然の眠気。
雪の上で寝てしまった。
起きると、多くの色、色、色。
明るすぎる。
赤や、黄色、オレンジ…というのかな？
まぁ、よく知らないが、人間たちの言っていた色が目の前にあるのだろう。
ずっと、ホワホワした、少し冷たい物ばかりだったから珍しいんだ。
そして、横になっている格好が四つん這いではなく、二足歩行型。
まるで人間のようだ。
そこへ来た雄の人間が俺に言った。
「やぁ。君は、クリスマス贈り物隊として選ばれた子だね。君の名前を教えてくれないか？」
クリスマス贈り物隊？？？
なんだそれ？
というか、俺の名前、無いんだが。
「答えないということは、無いのかな？」
コクコクとうなずく。
「じゃぁ、こっちおいで。つけてあげるよ。あ、あと、君、喋れるはずだよ。『あ』って声を出してみな。」
「…あ…え、なんで出せるんだ。」
「君は、人間の能力を貰った、特別なシロクマになったんだよ。ほら、立って行こう？」
立ってみた。
2本の後ろ足で立ててしまった。
違和感でしか無いが、「その格好で居てね」と、目の前の人間に言われたから、仕方がない。
そもそも場所がわからないのでついていくしか無い。
そこには、多くの人間と動物が服を着ていた。
ただ、まぁ、俺の隣にいる動物はきてないんだがな。
俺も服を着ていないんだが、アレは貰えるんだよな？
そう考えていると、一人の人間…アレはオスか…がこちらに来た。
「やぁ。君たちは、今日からここで働いてもらうよ。ごめんね。強制送還してしまって。まずは、この服を着てくれるかい？」
そういってもらったのは、赤の帽子、フードの付いた赤と緑の服、白のズボン。
色は、渡してもらう時に教えて貰った。
そして、「ユキ」と言う名前も付けられた。
その後は、連れて来られたであろう者達と、ここの説明を受けた。
それが終われば、動物だけで色々な事を学んだ。
算数や、化学、言語を学んだ。
凄い修習力があったらしく、俺は、速攻で覚えて、使うことができた。
ついでに手先も器用で、包装とかも得意だった。
まぁ、完璧、と言うことだ。
クリスマスの時期になった時、俺は、サンタとして動いてくれと言われた。
8割動物。
普通に楽しい。
全然これもいいななんて思った。
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作者名：雪熊 | 作成日時：2020年5月24日 21時
