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1話 ページ2

「やだ、やだよ!おばあちゃん」

さっきまで一緒にいた祖母はすっかり姿や形が変わり果てていた
そんな姿に変えたのは、すぐ目の前にいる呪霊だと分かっているのに恐怖で身体を動かす事が出来ない

それでも呪霊は待っててくれることなどするわけもない
大きな手を此方に振りかざしてきたが、突如聞こえてきた「動くな」の声にはっと顔を上げれば男の人が目の前に立っていた

その後、どうやって家に帰ったのかは分からない

ただ、「忘れろ」と哀しそうな声が耳に残り、手には弓矢とお札が赤く染まっていた


ーーーーーーーーーーーーー

「こんな大きいの?」

目の前には大きな建物
呪術高専東京校が佇み、初めての場所にビビり気味の少女が呆然と立っていた

「東京すごい」

目をぱちくりさせ、周りを見渡したが、誰も歩いている気配がない

どうしたものかと考え、スマホを取り出したときだ

「あー!着いてたんだ!大丈夫?迷わなかった?」

後ろから急に声を掛けられて、びくり肩を震わせて振り替えると、見慣れた顔が目に入り、荷物を投げ出し、気がつけば抱きついていた

「五条先生、ひどい!迎えにくるって言ったのに!!地図だけ送るなんて!」

「ごめんごめん!急に任務が入っちゃってね
おみやげ持ってきたから許してちょ」

全く悪びれる様子もなく、目の前にいた少女を軽々と抱き上げ目線を合わせた

「誰だ?そいつ」

五条とまた違った声がした方を向けば、眼鏡をかけポニーテールの女の人、顔の半分が見えない男の人とパンダがいた

「人がいっぱい……」

少女は抱きついたまま顔を隠した

「この子、今日から入学する篠坂Aだよ、君たちの1つ下だから可愛いがってあげて
ちなみにすんごい人見知りで特に男が苦手だから優しくしてあげてね
分かった、棘?」

棘と呼ばれた男の人は「しゃけ?」と不思議そうに首を傾げるも顔を隠しているAには全く見えていなかった

「お前、Aって言うのか?女同士仲良くしようぜ?」

「ほら、A」と促されると手を差しのべる女性が目に入り、「禅院真希、真希でいい」と微笑まれ「真希先輩?よろしくお願いします」と握り返すとすぐに五条と引き離された

「真希先輩?」

不思議そうに首を傾げるAをぐしゃりと撫でた

「A、真希の後ろにいるのが狗巻棘
語彙がおにぎり語しかない、横にいるのがパンダ
じゃ、僕は報告に行くね」

必要な情報は置いていかずさっさと何処かに行ってしまった

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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時

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