4話 ページ9
「こんなぶりぶりなのやだ」
いつも着ているパーカーは昨日の任務と受け身の練習で汚れてしまった
かと言って運動用のパーカーもなくなってしまうのも困る
他のは洗濯中だし
だからといって、こんなピンクでうさみみのついた女の子って感じのは遠慮したい
「五条先生きらい」
五条先生に「入学祝い」と渡されたのがこのパーカーだ
貰ったものだし無下には出来ず、そのまま残してはいたが、着ていくとなれば別問題だ
迷ってても時間が止まるわけもなく、扉の外から「おーい、A。準備出来たか?遅刻するぞー」と真希の声が聞こえてくる始末だ
「行かない、休む「珍しい!」
扉を勝手に開けられ、見られてしまった
「なかなか出てこないかと思えば……そんなパーカーも持ってたんだな?」
「……五条先生が入学祝いにくれた。でも似合わないし、恥ずかしい」
「やっぱり置いてく」着ていたパーカーを脱ぎ捨てた
「棘やパンダたちにも見せてやればいいのに」
「絶対やだ。笑われます」
仕方ないと体術で使うはずだったパーカーを着て、2人でクラスへと向かった
ロータリーに着くと2年生が既に着いていた
「おはよう」と口々に挨拶を交わすも人が足りない
「あれ?悠仁くん、恵くん、野薔薇ちゃんは?」と声を掛けると2年生が驚いたように名前を復唱した
「え?どうしたの?」
「おかか?!」
狗巻先輩も目をぱちくりさせ、近寄ってくるものだから近くにいた真希先輩の後ろに引っ付いた
「棘はだめだってさ、残念だったなぁ」
「たかなぁ」
と残念そうな声が聞こえてなんだか申し訳なくなる
すっかり話がそれたのをそれとなく戻すとパンダ先輩が「今日は任務で昨日の夜から行くって言ってた」と思い出したように口を開いた
いつもならL◯NEくれるのに
何事もないといいけど
そんな私の心配を他所に、真希先輩が「なんだ恵のこと好きなのか?」と寄りかかってきた
「はい、好きですよ」
何を当たり前のことをと言うように言えば、パンダ先輩が「そうじゃなくてさぁ」と乗っかってきたり、狗巻先輩がのの字を床に書き始めたりと騒がしい朝を迎えた
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「そういや、Aと恵以外の新入生と会ってねぇな」
「そのうち会えばいいだろ」
「しゃけ」
なんて会話をしていたなんてAは知らなかった
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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時