[刀剣乱舞]農具ですが、神様やっています (ページ8)

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3話ページ8

晴之

夜中だというのに、大広間にはほとんどの男士たちが集まっていた。

その中心には俺、その向かいには三日月と石切丸に挟まれた少年。
緊張しているのか、俯きぎみに俺をちらちらと見ている。

なんかかわいいなぁと思いつつ見つめていると、
しびれを切らしたのか乱が声を上げた。

乱「ねえ主！その子が"幽霊"なの？？」

晴之『う、うん…皆が言ってたのはたぶんこの子だよ。』

"幽霊"にしてははっきり見えすぎてるんだけど……。

石切丸「はっはっは。何か喋らないと。
"幽霊"扱いされたままでいいのかい？」

石切丸はやわらかく笑うと少年の頭を撫でた。

三日月「緊張しているのだな。心配するな誰も取って食ったりはしないからな。」

二人がおじいちゃんに見えてきた…
いや、まぁ俺に比べりゃ爺なんだけども…。

少年『あ、あの。』

少年の声に皆、反応し視線が集まる。

少年『申し遅れました…。
僕は、えっと、審神者様に手入れをしてもらいました、農具の鍬です。』

く、鍬……？！

え…手入れしたっけ？？

長谷部「あぁ！！！もしや、倉庫の中にいたあの鍬？！
ほら！主！！イチゴと枝豆植えた時の！！」

晴之『ああ！あのすっごい綺麗な鍬？！』

少年『はい。久しぶりに人の温もりに触れることが出来て嬉しくて…。
でも僕は月の光が当たってる時にしかこの体になることが出来ないので、
審神者様にお礼を言うことが叶わなかったため、
勝手ながら審神者様がお植えになった植物のお世話をさせていただいておりました。』

晴之『もしかして、妙にイチゴの成長が早かったのって…』

石切丸「農具の神だからな。」

少年『はい、昔は僕にお祈りすると作物がよく育つと言われておりました////』

少し照れたように笑う少年にちょっと胸キュンしてしまった。
しっかりしろ、俺！！

晴之『でも、農具が男士になるなんて聞いたことがないな。
他の本丸にもいるのか？』

少年『いえ、僕は僕だけで御座います。』