[刀剣乱舞]農具ですが、神様やっています (ページ1)

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１話ページ1

長谷部

今日も良い天気で畑の野菜も美しく輝いている。

長谷部「野菜たちよ、主の栄養となることを誇りに思うのだな！！
はっはっはっは！！」

小夜「長谷部殿が可笑しなことを言っている…」

同田貫「気にするな、いつものことだ。」

主のお口に入るであろう野菜たちに水をやっていると、後ろから頭をわしわしと撫でられた。

長谷部「っは！この暖かく、包み込まれる様な手はっ・・・！！」

晴之『あっはっはっは！通常営業だな、長谷部。』

この本丸の主、晴之殿だ。
口元は見えないが、とても優しい笑みで俺たちを癒してくれる。

小夜「主。」

同田貫「珍しいな、あんたがここに来るなんて。」

小夜殿も同田貫殿も嬉しそうに主の元へ寄ってくる。

ここの本丸は元々、世間で言う"ブラック本丸"というものだった。
暴力、夜の行為は当たり前。
何本もの刀剣男士が鍛刀され、折られていた。

何人も審神者は変わっていたが、皆始めは優しいのだが豹変し結局欲にまみれてしまった。

そんな中現れた審神者の晴之殿。
俺たちは人間不信になっていたために何度も暗殺を試みたり、毒を盛ったりしたのだがそれでもにこにこと俺たちに話しかけに来ては温かな瞳を俺たちに向けていた。

そして３年という長い年月をかけて主と俺たちは絆を深めていった。

晴之『どーした？長谷部。ボーっとして。』

長谷部「いえっ！何でもありませんよ！
こんな素敵な主がいて、俺は幸せだなぁと…」

晴之『そっか。俺も幸せだぞ！お前たちがいて。』

あぁ、やはり主の笑顔は素敵だ。

小夜「主、何か用事でもあったんじゃ？」

晴之『あ、そうだった。実はさ、イチゴと枝豆の種が手に入ったから植えようかなって。
どうせなら自分の手で植えたいと思ってな。』

同田貫「でも、もう植えれる所はないぞ？」

晴之『それなら新しく増やそう。
庭は無駄に広いんだからさ。よしやろう！！』

小夜「僕もやる。」

同田貫「俺もやるぜ。畑仕事は体作るのに良いからな。」

長谷部「では、農具が一本足りませんね。倉庫から持ってまいります。」

そういって俺は、滅多に入ることのない倉庫へと足を踏み入れた。