.*.意義素.*. (ページ9)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:19,800 hit

(9) ページ9

f「俺さ好きな人が居るのよ｡」

体調が悪いのも忘れて目を見開く。
失恋を突きつけられたようなものじゃないか｡

f「そいつはさ無理するし自己肯定感がすごく低いんだけど何故か愛らしくてさ,本当に好きなんだよね｡」

自己肯定感が低いやつはめんどくさいぞ、
なんて全然知らない相手に少し嫉妬してるのが痛々しい｡

k「素敵な人なんだね｡」
f「うん｡素敵な人だよ…｡」
彼は静かに、そして辛そうに呟く｡

k「その恋が叶うといいね｡」
本心は隠して思ってもないことを言う。

f「多分叶わないけどな…」
悲しそうな顔｡
ふくらを拒むなんてそんなの有り得ないのに｡

k「ふくらなら大丈夫｡こんなに凄いんだから｡」
f「うーん…どうだかなぁ…」

こんなに自分を卑下するなんて。

ふくらが恋してるどこかの女なんかより
僕との方が幸せになれるのに、なんてドラマみたいなセリフは本人には絶対に言えないけど、
実際、そんな事を思っている自分が居て｡

f「ここでお話はおしまい｡」

ふくらの悲しそうな笑顔を見ていたら急に眠気が襲ってきて,チャンスとでも思ったのだろうか僕の口は何故だか勝手に動きだし

k「ねぇふくら…」
f「ん？」
k「僕、ふくらが…すき」

まで言った途端に眠りに落ちた｡