54 追憶/ お誘い ページ4
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「え…まって、Aちゃん、この人と仲良いの?」
「うん。薫くん、零先輩のこと知ってるんだ」
「そりゃあ有名人だしね、この人。ていうかこの前知らないって言ってたじゃん！」
「…言ったっけ」
薫くんが言う“この前”とはAが初めて地下のステージを訪れた時だろうが、そんな前のことAが覚えているはずがない。
「俺様ちゃんとしてはそこが繋がってるのが不思議だけど」
「薫くんはよくライブさせてくれるんだ！」
「あの地下で? へえ…の割には1回も会わなかったな」
「Aちゃんはウチのお得意様だよね〜。でも最近来てないね、どうしたの?」
「ちょっと忙しくて…」
「そっか。いつでもいいから、また来てよ」
「うん！ありがとう！」
Aにとって薫くんはお兄ちゃん的存在になりつつあった。
概念的に兄というものを理解してはいないが、常に優しい彼は間違いなくそういう人なんだろう。
この優しさは異性にしか向けられないというのに、まだ気づいていない。
「そういえばAちゃん、もうすぐ誕生日だよね?」
「? …あー確かにもうすぐだ！」
「なに、いつ?」
「7月7日だよ！」
「…マジ?」
「うん」
コイツ、さっき七夕の話をした時に言ってくれればよかったのに。
「何か欲しいものある? お兄さんがプレゼントしてあげる♪」
「えー！いいのっ? え、どうしようかな」
「特になければ俺が選ぶよ。センスはあるから安心して」
「そうする！楽しみにしてるねっ」
「あは、任せて。じゃあ俺行くね、またね」
「うん！ばいばーい」
「ばいばーい」
Aの横で真似する零先輩を睨んだ後、薫くんはAにだけ手を振ってガーデンテラスを去った。
「なんだ、おまえ誕生日なの?」
「だからそうだってば」
「…何か欲しい物言えよ」
「えー、さっきも迷ったのに。うーん…あ！零先輩はさっきのお土産が誕生日プレゼントでいいよ！」
「は?」
「…何で怒ってんの」
一応Aは気を遣った方だろう。考えるのが面倒というのもあるが。
「羽風くんはもっと良い物持ってくるぜ。俺様ちゃんはアレになるのはプライドが許せない」
「…」
「…よし、誕生日空けとけよ」
「何で?」
「良いトコ、連れてってやる」
したり顔で笑う零先輩に首を傾げるA。
七夕の日、いったい魔王は何をしてくれるのだろうか。
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
