8 追憶/ はじめまして ページ8
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季節は春。ぽかぽか天気の下、右京Aは夢ノ咲学院アイドル科に入学した。
男性アイドル育成学校がテスターとして初女性アイドルを投入した話はすぐさま話題になった。今もジロジロと見られていて、Aは気分が悪くなりそうだ。
こんなに多くの人に注目されたのは人生初めてかもしれない。事務所に所属してすぐの時はまともなステージに立たせてもらえなかった分、ここで学んで大きなステージに行くんだ。
「あれっ、女の子がいる！」
「うわびっくりした」
「えー！夢ノ咲って男子校じゃなかったっけ?」
窓辺で外の桜の木を見ていると、前の席であろう男の子に話しかけられた。独り言のようにも聞こえるそれは、Aの居心地を悪くさせた。
あたかもここにいる人間が間違えているみたいに言わなくても。しかしAもAで彼に疑問を抱いていた。
( …どっかで見たことあるよーな )
オレンジの髪、整った顔、アイドル……と連想ゲームのように繋げていけば、思い出した。
「俺、明星スバル！きみの名前は?」
明星というアイドルがいたことを。
「私は右京A。…明星って、お父さんかお兄さん、アイドルだったりする?」
「父さんのこと? あはは、まあ“明星”って聞けばそうなるよね」
直前までニコニコしていた顔が翳るから、Aは首を傾げた。
「? 名前聞いて思い出したっていうか、明星が…ってややこしいからスバルって呼ぶね。スバルとそのアイドルが似てたから聞いたんだよ」
「え」
「あのアイドル、かっこよかったから覚えてるんだ。そっか、スバルはアイドルの息子なんだ〜！」
「…えへへ、父さんが褒められるの嬉しい。うっきょんは何でここにいるの? 本当は男の子なの?」
嬉しいと言う割には、返し方が少し酷い。Aは誰がどう見ても女の子だ。性別を疑う余地もなく。ていうかスカートを穿いているのだから男の子なわけがない。
真っ直ぐ見つめてくるスバルの目を見返す。
「ばかなの?」と勝手に声が出ていた。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
