43 追憶/ 仕組みと馬鹿 ページ43
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さすがの煽られ具合にAもムカついてきた。
わざわざ話しかけてきたと思ったらそれ? 渉くんみたいに面白いこともしてくれないくせに、ほうっておいてほしい。
( 零先輩、いじわるだから苦手 )
夏目や渉くんは楽しいから好きだけど。
「お前、元々歌とかダンスとかやってたの?」
「ううん。始めたのは事務所に入ってからだよ。だから…去年の秋くらい」
「じゃあ尚更、そんな怯える必要ね〜よ。むしろ何でもかんでも上手くやる方が傲慢だっての」
「…ごうまん」
「今の右京Aに出来ることは、等身大でステージに立つこと。上手くやろうとすればそりゃ体も硬くなって上手く動かせない、喉も開かない」
「…」
「できることを全力でやれば、成功も失敗も関係ね〜パフォーマンスになる。そんで何より自分が楽しまね〜と、な?」
ここでようやく、Aは零先輩が励ましてくれてることに気づいた。
成功も失敗も関係ないパフォーマンス。
この言葉は失敗したくないと強く思うAの心に深く突き刺さった。
( …なんだ、そっか。そうだったんだ。成功とか失敗とか、どうでもいいんだ )
「ふふ、私バカだね。せっかくみんなに右京Aを知ってもらうチャンスなのに、何でこんなテンション低くなってたんだろう? うん、もうなんともない！」
「おうおう、そう来なくっちゃな♪」
「零先輩ありがとう！最初は本当にいじわるなことしか言わないし嫌いだったけど好きになった！」
「え、今それ言う? ガチ? 零ちゃん泣きそう」
ガバッと立ち上がる。
こんな所でくよくよしてても意味がない。動けるようにストレッチして、喉温めなくちゃ。
「ねえ、今日のライブ見に来てくれる?」
「…行かね〜って言ったら」
「…来てくれないの?」
「……普通行かないんだったらこんな時間に制服着て夢ノ咲になんか来ないし、今お前に声なんてかけてね〜よ」
「来てくれるんだ！やったー！」
「夏目が渉とかも誘うって言ってたからアイツらも来るよ」
面倒そうな顔してガシガシと頭を搔く零先輩。
「えへへ、うれしい。ステージからみんなのこと見えるかな? 絶対見つけるね！」
「カリスマ的存在の俺様ちゃんたちに客を奪われないようにせいぜい頑張れ」
「そんなこと言って、私の可愛さに惚れ惚れしても知らないよ」
「あ〜…お前俺のタイプじゃないからそれはない」
「私だって零先輩のこと好きじゃないよ」
「おいさっそく嫌いになってんじゃね〜か」
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
