38 追憶/ 一瞬の出来事 ページ38
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「つまリ、Aは今日機嫌が悪いかラ、さすがに変なファンを相手にしてる暇がなかったって事でショ」
「いや、そうは言ってなかっただろ」
「そう！」
「“そう”!?」
頬杖をついていた零先輩は呆れた顔して「わかんね〜…」とボヤく。ここまで来たらAもあまり理解出来てない気がしてきた。ただのイェスマンじゃないだろうな。
「んー? うきょ〜はなやんでるんですか? ぼくが『ねがい』をかなえますよ。『なんでも』いってください」
「コラ、やめたまえ奏汰」
「そうだよ奏汰にいさん、Aのこれは自業自得なんダ。
キミのファンなんだかラ、キミが何とかすることだネ」
「う〜…夏目冷たい…」
「フン」
Aは口をへの字にしてしゃがみ込んだ。
まるでお菓子を買ってもらえなかった子供のように。
( はあ…この前の変態教師みたいに対応してもらおうと思ったのに… )
事務所の人が言うからシュンスケくんと仲良くしてたけれど、さっきみたいに本人に話していない情報が筒抜けなのは勘弁してもらいたい。スバルがいないって、何で知ってたんだろう。
すると背後から「浮かない顔をしているそこのお嬢さん…」と声をかけられた。
「こちらの帽子に注目してください── …ワン、ツー、スリー！」
渉くんの声を合図に、帽子からバサバサッと白い鳩が出てくる。
その帽子は鳥が何匹も入るようには見えないのに、次から次へと空へ羽ばたきを求めるように飛んでいく。
Aは驚きのあまり声を出すことを忘れてしまった。
「Amazing…☆ 何とも期待通りの反応をありがとうございます！心の鬱憤は晴れましたか?」
「す、」
「す?」
「すっっごいねえ！」
「！」
言葉の通り、キラキラと目を輝かせて笑うAに、渉くんは少し驚く。が、すぐにその顔は同じ笑顔に変わりまた鳩を出し始めた。
「これ何！何? マジックなの? 渉くんは鳩使いなの?」
「わぁ、ここまで興味を示してくれるとさすがの私でも嬉しすぎて顔が崩れてしまいますね！」
「いつも通りの笑顔だヨ」
「なんだなんだ、Aチャンはマジックを見るの初めて！みて〜な顔してっけど」
「初めてだよ！こんなすごいんだね！マジックって！」
名前と概念だけは知っているものの、あまり見る機会がなかった。
テレビは基本下の子たちがアニメを見ていたしAが見るのは音楽番組。
マジックのすごさを感じるのも無理はない。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
