96. キミと僕 ページ46
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オレは別に、歌が上手いわけでもダンスが上手いわけでもない。今“liT”が歌唱力を持ち前にしてるのはAが上手いからだ。
アイツは最初から歌が上手かった。技術的なことだけじゃなくて、表現力やリズム感。耳が良いのか1回聴いたら覚えられる(本人は特徴的な歌だったらって言うけど)。反面、オレはAを見て聴いて、教えてもらって訊いて、今の技術を手にした。
「瑞生は地声低いけど歌声は少し高くなるから」「ねえ、瑞生くん！プロの人が俺らの声相性ピッタリだって！」「あ、そうだ。ここで瑞生くんがラップすればいいんじゃない? 滑舌良いしリズム感もあるからできるよ！」「あー…楽しいねえ、瑞生…！」
全部、橙条Aがいたから。
今もオレはアイドルを続けられてる。
アイツがもし歌えない、歌いたくないなんて言う時にはオレが意地でもキレてやる。罵ってやる。そんなお前は見たくない。
だから…ずっと、歌ってくれ。
お前が歌えば、みんな幸せになるよ。
「…♪〜〜」
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「…瑞生、かっこいい」
バックステージにて。いよいよソロ曲が、瑞生からスタートした。
今日の瑞生はいつもより纏う雰囲気が違っていた。
ラブソングなのに、そうではないように聴こえて、Aもどう表していいか分からない感情に呑み込まれていた。
テレビの前には椅子があって、そこに座って目を瞑る。
( …もうすぐ、だなあ )
「─ ねえ、そこで何やってるの?」
聞こえた声にAはパチッと目を開けた。
あまりにも既視感があったから。
その言葉に、声に、…見上げたら映るオレンジの髪に。
まるで初めて会ったときみたいだ。
「何…って、…ううん。瑞生くんの歌聴いてた」
「いい曲だよね」
「すっごくね」
スバルは畳んで壁にかけてあった椅子を持ってきて、隣に座った。それにも既視感を感じてしまう。
「…なんか、前にもあったよね? こーいうの…なんて言うんだっけ?」
「初めて会ったときのことでしょ」
「あそーかも！えっと…、デジャブ！って言うんだよね！」
「そういえばそうとも言うね」
「懐かしいね、俺あの時Aのこと嫌なヤツだって思った」
「俺も」
もう2年以上前になるんだ。
仲良くなったのが2年後なんて笑ってしまう。
「決まった?」
「…え?」
「どんなアイドルになりたいか」
スバルの透き通るような青い眼が、Aの目と交わった。
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かげやま(プロフ) - 鈴花さん» コメントありがとうございます✨️私もまたこの2人書きたいなと思ってるので機会があれば…！臨時ユニットのお話も😂 (2月20日 23時) (
レス) @page49 id: 2b4670edb1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴花(プロフ) - 一気読みしました！超最高でした！まだまだこの2人の不仲話も仲良し話も読みたすぎる…！あと臨時ユニの話を読みたい！ (2月7日 14時) (レス) @page1 id: cfaa8deb10 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - 俎板さん» コメントありがとうございます✊無事完結出来ました…！読んでくださりありがとうございました！嬉しすぎるお言葉〜😭🙏次の作品もよかったら…！ (2022年3月26日 2時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
俎板(プロフ) - 完結おめでとうございます…！作者さんのお話大好きです〜！ (2022年3月26日 1時) (レス) @page49 id: 0b4ff99b4b (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - 彼岸桜＋αさん» こんばんは！コメントありがとうございます〜…！😖以前いただいたコメントで勇気づけられながら完結へ行けることが出来ました！本当に感謝しています😭最後まで読んでくださりありがとうございました！ (2022年3月25日 21時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2021年7月3日 0時
