中学2年生 : 夏休み・同じにはなりたくない ページ14
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夏休みはあっという間に過ぎ去り、お盆を超え、8月末。
お盆は約束通り兵庫へ帰省した。お母さんは仕事が忙しかったから1人で。
双子は、稲荷崎高校に進むことが決まったらしい。
調べてみると私立だった。お母さん、双子のとこでもいいって言ってたけど、私立でもいいのかな。
「A、高校はこっちやろ?」
「決まってないよ、まだ」
「でも俺らがおるんに、行かない選択肢あらへんとちゃう?」
いや…はい、まぁそうですね。
前の私ならそうだったけど、今は及川先輩という存在がいるからダメなの。
とはいえ、そんなこと言えないからスルーしておいた。
宮城に戻れば秋の大会へ向けてのハードな練習が続き、夏祭りのことなんてすっかり頭から抜けていた。
「…美咲」
「うん? …エッちょっと何やってんの何やってんの」
バインダーを投げ捨てて影山の血が垂れた指を掴む。
爪剥がれた…!? 何で血こんな出てんの…！
ティッシュでとりあえず止血。
「突き指じゃなくてよかったけど…気をつけてよ、大会近いんだから」
「いてぇ」
「ハイハイ血止まったら絆創膏貼るよ！…床に血落ちなかった?」
「多分落ちてねえ」
一応後で見てきてね、と血が止まったであろう指先に絆創膏を貼る。
影山は感覚でやってる人だからちょっとでも違和感があると上手くいかなくなっちゃう…。
「今日サーブはあんまやんない方がいいかも…」
「…分かった」
「！なんか大人しくない?」
「おまえが言うなら、やらない」
「…あの、あんまり私の発言に信頼度高められても困るんですけど…コーチじゃないよ」
「でも美咲が言うことは信じられる」
そ、
そうですかー…。照れるな、なんか。
あの影山に信頼される私すごい。
サンキューとお礼を言って、影山は練習に戻って行った。
てことは、今日影山残らないのかな。
私も今日は夏祭りだから…
( ……はぁ、めんどくさい )
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作者名：かげやま
| 作成日時：2024年3月14日 13時
