245 専用衣装/ 理由 ページ45
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初めてAを見た時、1人でも大丈夫な奴なんだという印象を抱いた。
廊下を1人で歩く姿は何も気にしていなそうで、さすがは男子だけの学院にテスターとして入学できる程の容姿。周りの生徒が思わず目を惹かれても仕方ない。
( …中身は、どうか分かんね〜けど )
自分と関わる事が来るかも分からない、“五奇人”と呼ばれる少し前の話だ。
“五奇人”という役割に当て振られた後もそれは変わらないと思っていたが、そのメンバーのひとりがまさか友人関係になるとは。
最初に交した会話は決して良い物とは言えなかった。
「先輩だろ」なんて言わなければ、もしかしたら他の奴みたいに零くんと呼ばれていたかもしれない。
いつからだろうか。
彼女を気にするようになったのは。
明確には分からない。
ただ、笑っていてほしいと、思ってしまったから。
「零くんってさ、何でAちゃんに告白しないの?」
「…いきなりじゃな」
「ずっと気になってたんだよね。片想いなら片想いで、両想いになるまでどうにかする事だってできるじゃん」
楽屋でそう言う薫くんと、零に目線を寄せるわんことアドニスくん。
急に始まった公開処刑に戸惑いながらも咳払いをしてからこう答えた。
「我輩なりに愛情を注いできたつもり、だったんじゃよ。…Aが我輩の事を好きになっても、本人が辛いなら意味がない」
「…それは、Aちゃんの想いを知った上で言ってるの」
「…、知ってるも何も」
__「私、零先輩のこと好きな自分が、世界でいちばん嫌い」
告白は一度されている。
それに対する返事は何もできなかったけれど。
「ﾁｯ 男なら、好きになられても辛くなんね〜ようにするもんだろうが」
「相変わらずカッコイイ事を言うのう、わんこは」
「これ以上巻き込まれるのはウンザリなんだよッ！」
「ほんとだよね〜、Aちゃんの悲しい顔見てられないし。付き合えないならそう言ってあげなよ。中途半端に好き好きアピールしないで」
「我輩そんな事しておらんわい」
「この前上げられた映画のメイキング映像、ベッタリくっついてたのはどこの誰だっけ」
「……」
そんなジト目で見なくても自覚しているというのに。
付き合えない、付き合いたくないわけじゃない。
ただ、Aには自分を愛してほしい。それだけだ。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
