241 専用衣装/ 再会 ページ41
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手首の怪我は皮がめくれている程度で大袈裟な手当は必要ないのだが、夏目は「汚い人間に触れられたから一応」と言い消毒液まで使って、その後絆創膏を貼ってくれた。
夏目、A、奏汰くんで広めのソファ、あとの3人は小さなソファや椅子に座っている。
「…デ、何があったノ?」
「コンビニ行ったら絡まれた」
「説明を端折りすギ…。その人はファン?」
「いや…」
答えを探せば必ずたどり着く、ヨイチさんの話。
これは誰にも言ったことがない。誰にも、言いたくなかったから。
( 遊ぶ相手を探してたって言うようなものだし… )
目を逸らして口淀むAを逃すはずもなく、今度は宗くんが「この際何かを隠しても無駄なのだよ」とキツく言ってきた。話せるように息を吐く。
「…今年の2月に知り合ったADさんがいて、その人顔が広いから…定期的にご飯会を開いてるの。私は食べれないから少ししかいれないけど何回か参加してて…、そこにいたらしい男の人が急に飲もうよって誘ってきた」
「ウン」
「それで断ってもしつこく誘ってきたから、嫌になって零先輩に電話かけたの。…た、たまたま目に入ったから」
「…そウ。
話は変わるけド、そのADさんのご飯会にはもう行かないようニ」
「あ…うん。そのつもりだったよ。宗くんに衣装頼んだ時点で何か、…ほら熱愛みたいなヤツになったら迷惑かけるし」
アルバムツアーは成功させたいと思っている。
もしかしたら最後のライブになるかもしれないから、それまでは何事もなく平和に過ごしたい。
ヨイチさんがこれから誘ってきても断る気満々でいた。
「それにしてもAは説明が上手になりましたね！聞き取れたのでビックリしました私！」
「説明下手だって怒られたりカットされて使われなくなったりしたから頑張ったよ」
「僕も毎回治せと言っていたけど」
「でもその分話すのが遅くなったネ」
「ぼくににてきましたね」
「まさかここで奏汰ルートに行くとは」
「師匠、その言い方やめテ」
この会話のテンポ、よく分からない単語が飛び交うところもすべてが懐かしい。
だけど零先輩だけが話してないことが気になってチラ、と見てみる。
「…ん? どうしたんじゃ、A」
「ううん。…ありがとう、助けてくれて」
「…」
「言ってなかったよね、お礼…」
「…おぬしが無事であればそれで良い」
ヨイチさんと関係を持ったAの自業自得だと言う人は、ここには誰もいなかった。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
