235 見つけてくれた人へ ページ35
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理人くんが亡くなってしまったショックを胸に、これからAをどうやって育てて行こうと悩んだ末、私はどうやってもAを育てきれないと結論づけました。
借金取りに追われるというのに、Aも一緒になんて私には無理だと。母親としてではなくひとりの人間として、思ってしまった。
施設にAを預けて、私はAの前から去りました。
必ず迎えに行くと約束して。
本当に迎えに行くつもりだった。借金を返して、Aと一緒に暮らすために働いて働いて。
だけど、私は弱かった。
ふとした瞬間に思い出すのは、理人くん。
借金を返しきった後、Aを見に行ったことがありました。
私の手じゃない、ちゃんとした人の手で
大きく育って笑うあの子は、まるで理人くんみたいで。
どうしても重ねてしまうんです。
私が好きだった理人くんがそこにいる。
Aを見る度にそう思うなんて母親失格でしょう。
施設に預けた時点でもう私には母親と名乗る資格はないけれど、私にはもうAをAとして愛せる自信がありません。
迎えに行くからなんて言って、結局Aよりも自分を優先した。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
A、かわいい私たちの子。
私は弱くて、守りきれなかったの。理人くんもAも。
これを見つけたくれた人へ。
私は理人くんの元へ行きます。
代わりにこれを、娘の右京Aの元へ届けてください。
お願いします。
これは娘への懺悔の手紙です。
どうかAに、届きますように。
A、私は────
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
