229 専用衣装/ 友達以上〇〇未満 ページ29
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しん…と無言になる3人の空気に耐えきれず、やっぱり来なきゃ良かったと後悔した。いや、自ら足を運んだわけではないから後悔しても意味がない。
「…もうアイドル辞めようと思ってるの。いつになるかは、…分からないけど。だから宗くんは無駄になる衣装を作るって言ってるんだよ」
「僕の話を聞いていなかったのか? 僕は君の専用衣装を作ると言ったのだよ。君がアイドルを辞める辞めないは関係がない」
「は…? 関係あるでしょ…だってその衣装着ないかもって言ってるんだから…！」
「僕は君が君らしくいられる衣装を作りたいと、言っているんだ」
「何言っ…、てんの……」
( 私らしく、いられる衣装…?)
「アイドルの右京Aなんて最初から見ていない。
僕が知っているのは右京Aその者だけだ。だから辞める辞めないはまったく関係ないし、それを断る理由にされるのも癪なのだよ」
「…? ??」
「着れるわけがない? 君のために作ると言っているのに、そんな衣装できるわけないだろう。本当に救いようのない大馬鹿者だな」
「もうわかんない…なにいってんの宗くんは……」
衣装はアイドルが着る服なんだから専用衣装はアイドルの右京Aが着る服でしょう。
「ハハ、懐かしいナ。2人の言い争イ」
「本当だよ。あの頃だって宗くんは意味分かんないことばっか、…」
「意味分からない言葉を発してたのは君だけどね」
「…、A?」
「…ごめん。昔の話すると頭痛くなる」
記憶というものは断片的かつ連想的になっている。
ひとつを思い出せばまたひとつ。
だからAは頭痛持ちが治らないし思い出したくもなくなる。
左側がズキズキして仕方ない。せっかく夏目が空気を和ましてくれたのに。またこうして、空気が悪くなる。
「あの日、君は天祥院に立ち向かってくれたらしいね」
「…ん」
「随分時間が経ってしまったけれど、改めてお礼を言うのだよ。ありがとう、A。僕の為に戦って、僕以上に僕を守ってくれた」
「…なにが…なにも、できなかったじゃん」
「…はぁ、君も少しは大人になったのかと思っていたのに、我儘な所が悪化しているみたいだよ」
「嗚呼、我儘、ネ…。ボクもAに対して違和感をずっと感じていたけド、それダ」
「は…? わ、私のどこがわがままなの!?」
そんなはずはない。この2年で完璧なアイドル像を磨き上げてきて、性格もそっちに釣られているというのに。
「そういうところだ」
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
