185 イベント/ 絶対に守るから ページ35
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きっと忘れることはない。
今、毎晩出てくるAを見下す零先輩のように。
何も出来なかったんだ。目の前で友達が泣いていたのに、何も出来なかったAに友達を名乗る資格なんてないんだよ。
「…おれ、Aちゃんのこと大好きや」
「…」
「最初は話しかけられて、なんや失礼な子やなぁって思ったけど、あの子の目をくれた時に確信したんよ。この子と友達になりたい、って」
「…」
「そんでAちゃんの初めてのステージ、…びっくりした。あんな男子しかいない空気感で、絶対緊張すると思っとったのに…Aちゃんは自信満々の笑顔で『緊張するわけない、みんないるのに怖いわけないじゃん！』って言った。そしたらほんまになんてことなさそうにかっこよく歌ってるんやで? もうずっとずっと、Aちゃんはかっこえぇよ」
包帯越しに見えるAと同じ黄色い瞳。
そんなことを言ってくるもんだから、Aの視界は涙ですっかりぼやけてしまった。
大好きだって、かっこいいって、どうしてみかはこんなに優しいんだろう。もう自分はそうはなれないのに。かっこいい路線にはいけないAを、受け入れてくれて。
( 欲しい言葉いっぱい、言ってくれるの )
「……、あれ」
「…?」
みかは立ち上がって、雑草の中に手を突っ込んだ。
「嘘や…こんなこと、あるん…?」
「? …、」
「…Aちゃん」
名前を呼ばれて、Aも一緒に立ち上がった。
何かを握っているみかは嬉しそうな顔をしてAの顔を見つめる。
( …なに?)
「あった！あったんよ！」と声を荒らげるから、Aはみかの手元に視線を移した。固く握られてた手がゆっくり開く。
そこには、紫色のボタン。
__「何探してるの?」
__「あ…えと、このお人形さんの目が取れてしもうて…紫色のボタンなんやけど」
( …嘘 )
あんなに探しても見つからなかったのに。
「Aちゃん…これ、Aちゃんが持っとって」
「…」
「そんで今度はAちゃんがおれに言うんや。…『友達になりたい』って」
「！」
「いつまでも待っとるから。Aちゃんの声が出るまでお守りにして、その声で…聞かせてや」
手のひらに紫色のボタンが乗せられて、手ごとぎゅっと握られた。
Aは唖然としながらも素直に首を縦に動かした。
( …絶対守る、約束 )
これは友達の証だから。
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かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
