195 イベント/ 願望と現実 ページ45
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1回目のパフォーマンスが終わった後、控え室に戻るとあんずは他のユニットの準備をしないといけないからと行ってしまった。
【S1】のイベントを1人で回すのは大変だろう。
控え室にはAひとり。
( …ひとりは、嫌だな ) 衣装の上に着ているダウンをぎゅっと掴んだ。
クリスマス、ひとり。
__「迎えに来るまで…、ここで待ってて」
__ 「必ず、迎えに行くから。だから…だから、…っ」
「…あれから、もう12年……」
いつ迎えに来てくれるの?
もうそろそろキツくなってきたよ。
早くアイドルを辞めて、ふたりで暮らしたい。
( …私を知ってる人がいない場所で、ママと )
テレビから流れてくるクリスマスソングはどれもバラード寄りで、Aは気付かぬ内に目を閉じていた。
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ヴー…ヴー…
ハッと意識を覚ました。
Aは辺りを見渡して、状況を整理する。
音はどうやらテーブルに置いてある鞄の中からだ。
大体は検討がついている。きっとスマホの音。
( …電話? しかも知らない番号 )
「…、もしもし?」
どこかでAの電話番号が洩れて、ファンか不審な人からの電話だったらどうしようと思いつつも通話のボタンを押した。
「《…Aちゃん。俺だよ、分かる?》」
「…施設長?」
「《うん、正解》」
「……まさか」
瞬間、なぜ施設長が電話をしてきたのかを理解し、心臓が大きく鳴った。
( ほんとに…、ほんとに? )
「…結果が出たんだ」
「《…届いたよ、今日。依頼してた探偵事務所から》」
その言葉を聞いた途端に、身体中血が巡るのが分かった。
ぶわぁあと高揚する。
施設長に渡したのは依頼料のお金とAの新しい電話番号。
結果が分かった時にだけ電話をするようにメモも入れておいた。
( ああ…… 泣きそう )
「今、今、どこ。私夢ノ咲にいるから今すぐ」
「《夢ノ咲の校門にいる。…出てこれる?》」
「今すぐ行く！」
ガチャ、とドアを開けて走り出す。
呼吸をする度に白い息が出て、それがあの時を思い出させた。
あまみや学園の堀のそばに座って待っていたあの時を。
寒くて寒くて白い息が出ていた。
( もう終わる。ママに会える )
涙が顔から後ろに流れていった。
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かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
