48 お出かけ ページ48
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「!?」
驚きのあまり、Aは噎せてしまう。
ごほっ…とレタスが喉につっかえたのを治す。
___ いきなり何言ってんだこの人は…!?
それ以上に口調が違うことにひどく驚いた。
まさか俺の言ったことに怒ったのか?
「くっくっく、驚いたかえ?」
「…ええそりゃもう。急にそういうことすんのやめてくだ、……やめて」
「はは、釣られておるよ」
そうだ。俺って零くんに対して敬語だったんだ。
去年の冬あたりまでそんな記憶が…。
( 癖って怖い… )
「んで、何か話とかあったんじゃないの?」
「いや? 別にそういうのがあるわけじゃ…、あそうそう思い出したぞい。
実は学院祭のことなんじゃがな。UNDEADは執事喫茶をやることにしたんじゃ」
「学院祭…?」
ああ、何かそんなのあったなぁ。
流星隊にいた時は参加したこと無かったから忘れてたけど。
「執事喫茶って何すんの?」
「そのまんまじゃよ。執事のコスプレをして喫茶店を開く。薫くんの意見じゃ」
「へぇ、珍しいね。薫が意見を出すなんて。
何か餌でもあげたの?」
「餌はあげてないんじゃが、学院祭は一般客が来る催しだからと張り切っておったぞ。
まぁその方が我輩としても助かるしのう」
チューっとトマトジュースを飲む零に、Aは疑問を覚える。
「何で学院祭なんかに出るの? 大した行事じゃないし賞とかあったっけ」
「Aくんは確かいなかったか…。
この間のS1やDDDで失った我々UNDEADの地位を、取り戻そうと思ってるんじゃよ。どうとこうも周りから舐められてるようでのう。
どうやら学院祭の出し物で優勝すれば賞金も出るらしいし、ちょうどよかろう?」
「なるほど。スバルたちのためにしたことが俺らの足を引っ張ってるってことね」
__ 俺からしたら舐められるとか慣れてるんだけど。
わんわんとかが気に入らないんだろうなそんなこと。
ていうかそもそも零くんがおじいちゃんキャラをやめればいい話じゃないのか。
去年までの朔間零を知らないはずないんだし……。
( …でも、そんなわけにいかないか )
__ 「…っ、俺だって…自分の人生くらい、好きに生きたい…っ!みんなと同じように!アイツらに縛られたくないっ!」 __
__ 「……ああ、分かるよ。…すげ〜分かる」 __
( 俺がいちばん、分かってる )
「Aくん? どうかしたのかえ」
「…別に、最後の学院祭くらい楽しもうかなって思っただけ」
最後、か。
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かげやま(プロフ) - あこ 千秋推しさん» コメントありがとうございます。まさか千秋推しさんに読んでいただけるとは…!お褒めの言葉嬉しいです(^^) (2020年5月8日 4時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
あこ 千秋推し - 手短に一言だけ。神です。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: 93d2604178 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - せんり@お絵描き部所属@流星隊pさん» ダメージ喰らいました。ありがとうございます!!(^^) (2019年4月4日 19時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
せんり@お絵描き部所属@流星隊p(プロフ) - 好きです(突然の告白) (2019年4月4日 12時) (レス) id: 6097f66ba7 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - 永瀬まゆさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です(;;) (2019年1月19日 20時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かげやま | 作成日時:2018年12月25日 0時