【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】 (ページ45)

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「ていうかこのメンツって俺以外Aくんのこと大好きな人たちじゃん」

「はぁ?? 俺もこの中に入れないでくれる?」

「ふふ、確かに僕はAのこと大好きだよ」

「俺もだぞ☆」

「我輩じゃって」

「えぇ…誰得なのこの会話…」

いつまでいるんだろうこの人たち。
俺が熱持ちってこと忘れてるのかな。

零、英智、千秋(巻き込まれ)が火花を散る中、冷めた目で見る泉。面白く見ている薫。
その間に挟まれるA。

あ～、佐賀美先生来たらびっくりするんだろうな～。

「A、具合は? こんなに騒いでて忘れてたけど」

「だよね、そうだよね。さっきまでだるかったけど、泉くんたちが来たら少し治まった」

「…あんたって昔から元気だもんねえ、王さまに分けて欲しいくらい」

「レオ? アイツは別に俺のなんかいらないよ。
…そういえば来てないね、今」

「……」

「…泉くん?」

泉の表情が暗くなった。

レオとAは泉繋がりで仲良くなったが、ふたりは本当に仲がいいと思う。
親友とも言い難い彼を、泉はずっと待ってるのだろうか。

「泉くん、困ったらいつでも言ってね」

「…ん。
さ、俺らは帰るよ。ぎゃあぎゃあ騒いでAの熱に響いたら元も子もないしねぇ。行こ、かおくん」

「だね。ほーら、もりっちに天祥院くんも」

泉を先頭に、A組のメンバーが次々に保健室を出て行った。去り際に千秋の笑顔を見れてよかった。

( 千秋の笑顔を見ると少し元気になれる )

「…くっくっく、嬉しそうじゃのう。
千秋くんには勝てそうにないわい」

「うるさいなぁ…。ねえ零くん、レオってどうしてると思う?」

「月永くん? …さぁ、我輩は学院内のことなら何でも分かるが外部のことまでは分からんよ」

「…ふーん」

嘘つき。

…何とかして、泉くんを助けたいんだけど…。
いつもお世話になってるし。

「…Aくんはもう、弱くないんじゃな」

「…? いきなり何?」

「いや、何でもない。そろそろ佐賀美先生を呼ぶとするか。大人しくしてるんじゃよ」

少し様子がおかしい気もしたが、いつも通りの零を見ると杞憂だったようだ。

Aは零を見送ったあと、すぅ…と息を吸った。

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