【あんスタ】闇堕ちヒーローの話。【男主】 (ページ43)

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「ぅっ…」

「…Aくん、」

目を覚ましてすぐにやってくるのは、倦怠感。
頭が重く、寝ている体勢のはずなのにふわふわ浮いている感覚がする。

「Aくん」と隣から声がした。

「…れいくん、」

「大丈夫かえ? わんこが運んでくれたんじゃよ」

「あー、晃牙くんかぁ…お礼、言わないとね」

意識を失う前に聞いたあの声も、晃牙くん。
心配かけて申し訳ないな。

Aはズキズキ痛む頭を抑えて、零を見た。

( 怒ってる… )

「原因は栄養失調だと、佐賀美先生が教えてくれた。
お主、まさかこの10日間、何も食べてないなんて言うんじゃあるまいな」

「…お手伝いさんがいた日は食べたよ。
でも俺疲れちゃって、気力が何も起きなかったんだ」

「だとしても、じゃ。……頼むから、心配させないでおくれ」

そう眉を下げながら言う零に、Aは痛む頭を撫でられた。不思議とすぐに痛みは消えたが、罪悪感が深くどろどろと生まれた。

…俺だって、そうしたいよ。
迷惑なんかかけたくないのに。

特に零くんなんかには。

「ごめんね。零くん。心配してくれてありがと」

「元気になってくれれば、我輩はもう何でもいい。Aくんと仕事もできるしのう…」

「え、仕事? 俺と零くんの仕事来たの?」

「うむ。有名な雑誌のインタビューじゃが…」

「へぇ、よかったね。零くん俺と仕事したかったもんね」

「我輩だけ!?」と慌てる零を見てAは笑う。
やっといつもの雰囲気が戻りつつあった。

が、そこにある人々がやってくる。

「やあA、倒れたと聞いたよ。大丈夫かい?」

「A！大丈夫か!?」

「Aくん、大丈夫～?」

「ちょっとぉ、そんな大勢で押しかけて迷惑でしょぉ!?」

ん???

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