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28 体育の時間 ページ28

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呆れた。

けど、ちょうど疲れてたしよかったかな。

Aは泉と英智が空けていた無駄な距離を埋めるように間に座ることにした。


「ったく、A。雑誌見たけどやっぱりあんた鈍ってたからね。表情固いし撮られてるだけって感じだった。顔だけ」

「…あのさぁ、何度も言うようだけど俺モデルじゃないよ。アイドル」

「…モデルを嫌いになったわけじゃないでしょ」

「それとこれとは話が違うよ。そもそも俺は好きでやってな、」

「俺は認めないから。そんなの。確かにAはアイドルとして成功した。あんたの努力を踏みにじるわけじゃない。ゆうくんとは違う。

けど今のAも違うでしょ?」


喉にひゅっと息が通る。


「“条件”出されたからってファンを使っていいの?」

「…、俺はそんなこと…、」





____ した。


だって仕方ない。一人前のアイドルにならないといけないんだ。早く、自分の手だけで。親なんて関係なく、自分の努力だけで。

それの何がいけない?

泉くんとは環境が違う。俺はみんなと違う。何で違う? 俺は望んでなかった。モデルなんてなにひとつ___



途端、Aは両肩を叩かれた。



「…だから!! ちゃんと、しなよ」

「…、泉く…」

「俺は別にAを殺そうって、そんなつもりハナからない。…単純に、あの時のAに一人間として惚れただけ」


__ また見たいと思うのは当然でしょ?


Aはぐっと涙を堪えるように奥歯を噛み締めた。
こんなにキツく言われようが、どんなにうざい性格だろうが泉を嫌えない理由はただひとつ。


「…ふふ、いいものを見せてもらったよ」

「天祥院、ほんといい性格してる…」

「それ泉くんが言えること? 俺の中でいちばん性格悪いの泉くんだよ」

「はあ??今まで誰が世話見てきたと思ってんのぉ!?」

「…世話、とは」


ずっと味方でいてくれるから。




ここで、ふいに思ったことをAは泉に聞いた。

「…てか何で俺慰められたの? 泉くんに泣きついた覚えはないんだけど…」

「ああ。それは、…っていいでしょそんなの」

「俺が聞いてるんだからよくない」

「自己中。ちなみに俺が雑誌を見たのもそいつが原因」

「あ、そうか。へえ、彼も懲りないね」


尋ねた本人が分からないまま、英智はひとり納得した。当のAは「そいつ、彼…? 人? 人なの?」とボヤいている。

英智はそれをにこにこと見つめている。





そしてチャイムの音が鳴った。




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かげやま(プロフ) - あこ 千秋推しさん» コメントありがとうございます。まさか千秋推しさんに読んでいただけるとは…!お褒めの言葉嬉しいです(^^) (2020年5月8日 4時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
あこ 千秋推し - 手短に一言だけ。神です。 (2020年5月3日 21時) (レス) id: 93d2604178 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - せんり@お絵描き部所属@流星隊pさん» ダメージ喰らいました。ありがとうございます!!(^^) (2019年4月4日 19時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)
せんり@お絵描き部所属@流星隊p(プロフ) - 好きです(突然の告白) (2019年4月4日 12時) (レス) id: 6097f66ba7 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - 永瀬まゆさん» コメントありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい言葉です(;;) (2019年1月19日 20時) (レス) id: 1cd1d05918 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かげやま | 作成日時:2018年12月25日 0時

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