141 スカウト/ 愚問 ページ41
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「握手会?」
「うん。握手会だけのイベントがあるの」
「へえ！私も行ってみたいな」
「あんずはプロデューサーの仕事があるでしょ」
「そうだけど〜…！」
体育の時間。Aとあんずはバスケットボールを抱えて、壁に沿って話していた。内容は近々の仕事について。
普段の握手会はライブの後などに抽選で当たった少人数のみ行われるが、今回の握手会はその規模を広げたものになる。
ある程度CDを積めば当たるよくある方式だ。
CDの売上にも繋がるし、事務所は万々歳。
「私も早くAちゃんをプロデュースしたいな」
「……多分すぐ来ると思うよ。夢ノ咲のイベントにも積極的に出るだろうしね」
「そっか！楽しみ」
「…」
あんずがどんなプロデュースをするのか、それはAも気になる話だった。事務所が右京Aはこういう売り方をしようと決めているものを、あんずはどうやってプロデュースするのだろうか。
( もし、私がやりたいって言ったら…それは通るのかな )
そんな期待を抱いたところで、Aはやめようと首を振った。
Aがやりたいと思うことよりもAが売れるようにすることの方が大事だ。
「…あ、あのさ、Aちゃん、さっき今は友達いないって言ってたけど」
「…」
「前まではいたってこと…だよね、それって…」
「…いたよ。…一緒に探し物をしてできた初めての友達も、私のことを誰よりも優しくしてくれた友達も、楽しい思い出を作ってくれた友達も、いたよ」
でも、もういない。
初めてできた友達が傷ついてる時は、どうすればいいか分からなかった。
誰よりも優しくしてくれた友達は、もう誰よりもそばにいてくれなくなった。
楽しい思い出を作ってくれた友達は、悲しい思い出に塗り替えた。
みんな、離れていったよ。
「アイドルになるってことは独りじゃなきゃダメってことなんだよ、多分私は…私はそうなの」
「…そんなこと、」
「…“Trickstar”のそばにいるあんずには分からないよ」
「…」
あんなAとは真反対のユニット。
友達同士で作って学内のトップを決めるライブで勝利を収めた、すごいユニットには。
「…」
「…それでも私は、Aちゃんの友達になりたいよ」
そんなことを返されるとは思わなくて、「ぇ…」と動揺した。思わずボールを落としてしまい急いで拾いに行く。
しかし、それは誰かの足元にコツンとぶつかったおかげで近い距離にとどまった。
「あ……、……」
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
