136 イベント/ 七夕・約束のお返し ページ36
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ある程度距離が離れたところで足を止めて、息を整える。
ライブで倒れては元も子もないから体力はそこそこついてはいるものの、昔ほどは持ち合わせていない。
はぁ、はぁ…としゃがみこんだ。
( “Valkyrie”が出るなんて聞いてたら、七夕祭に出るって言ってた )
バースデーイベントが開催予定だとしても社長さんにそう伝えることはできた。
例え出ることが叶わなくても言うだけでも何か違ったはずなんだ。
「…っ、明日が…明日が、私の…」
自分の誕生日なんかじゃなければよかった。
そう思うとママへの申し訳なさとどこにも出せない苛立ちがぐるぐると混ざり合う。
零先輩もお祝いしてくれない、夏目にもみんなにも会えない。
そんな誕生日なんていらないよ。
「── A、こんなところで何をしておる」
頭を撫でられて、上にあげた。
「れいせんぱ、」
「…泣いたのかや、蹲って、具合でも悪いのかのう」
今度は目尻を指でなぞられた。
涙なんて出ていなかったけど、零先輩がAを泣いてる子をあやすみたいに接するから。
「っ〜〜！」
「お、っと。…んー、どうしたものか」
「っ…ひ、ぐ」
「抱きつかれては我輩も困ってしまうんじゃけど…?」
そうは言ってもAを突き放すことなく、背中をポンポンと叩いてくれる。それだけでAは気持ちが落ち着いて息ができた。
その体勢のまま少しして、零先輩が「もう大丈夫かえ」と聞いてきた。
Aが大人しく離れる。
「…うん、ごめんね零先輩」
「ん、落ち着いたようで安心したぞい。…しかし、こうやって誰彼構わず抱きついてるわけではあるまいな?」
「え? うん。零先輩が初めて」
「…、これからもこういうことはしないように」
そしてAはあることを思い出した。
あの約束について。
聞いていいものなのか分からなくて、少し吃る。
零先輩は覚えているのかな。どうなのかな。
もし聞いて忘れてたなんて言われたらどうしよう。
( …落ち着いたと思ったのに、また嫌な気持ち出てきた )
「ああ、そうだ。我輩、Aに会いに行こうと思ってたんじゃよ」
「何で?」
「A、目を閉じておくれ」
「…?」
大人しく目を瞑る。
すると首元を触られて驚いた。「ちょっと！」と目を開けようとした時、まだ閉じているように制される。
チャリ
「目を開けてもよいぞ」
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
