【あんスタ】不仲の話。【男主】

39. 教えて ページ39

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いつから俺は、歌以外でユニットを求めるようになったんだろう。


そう考えた途端頭がごちゃごちゃとしてしまう。


元より人と深く関わるのが苦手で、友達は少ないし親友はいない。特定の人と仲良くなることが少なかった。
だからみんな知り合い止まり。

歌はひとりで歌えるしダンスもひとりで踊れる。

それでも仕事がないならユニットを組まざるを得ない。


だからAは、唯一差し伸べられた瑞生の手を簡単に取った。


___「Aはいつまでアイドルやる気あんの?」
___「別に決めてないけど…、夢ノ咲出て拾ってくれるところ見つからなかったら地元に帰るかな」
___「…ま、そんなもんか」
___「瑞生くんは?」
___「オレは卒業まで」
___「じゃあ『liT』も、同時解散だね」

___「期限なんか待たずに早いとこ終わらせとけばよかった」


( 俺は解散することが怖かったんだ )



いつの間にか。



“liT”は、瑞生は、Aの中で大きい存在になっていた。




「…気づくのが、遅いよ俺」



「─ 何してんの?」

「っ…、」



その声に、はっと顔を上げた。



「…ス、バル」

「ひどい顔だね。ちゃんと鏡見てるの?」

「…別に。大きなお世話だよ」

「ふ〜ん…」


つまんなそうに。
いつもの事ながら、冷たい会話だった。

どうしてスバルがいるのかなんて、答えは簡単だ。
ここがスタプロの事務所だから。
Aは天祥院先輩と話そうと訪れていた。


「“例の”、見たよ」

「！」

「自業自得だよね。みんな本気なのに。どうしてやる気ないの、って俺言ったじゃん」


思い出される生放送の歌番組のリハ。

Aはグッと拳を握りしめてスバルを睨んだ。


「俺の大好きな“アイドル”をバカにしてないでよ」

「…そうやって、決めつける」

「何?」

「みんな、みんなみんな！“アイドル”の概念決めつけてるっ
何で? アイドルって誰でもなれるんじゃなかったの? どうしてユニットじゃなきゃ歌を歌わせてくれないの?
ユニットじゃなきゃ、仕事も歌も与えてくれないんだよ。
…だから俺は瑞生とユニットを組んだのに…！今度はやる気がないとか、アイドルを本気でやってる人に失礼だとか…。
どうしてアイドルはこんなに不自由なの…? 教えてよ、スバル。アイドルはこうでなくちゃいけない、こんなことやってはいけないって。決めつけてるのはいったい何で……?」


どうして俺らが異端者だって、分かるの?







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