第54話:諦めるな ページ5
Aのことを優しく抱きしめる。今の僕は、喜び、悲しみ、怒り・・・全ての感情がごちゃごちゃと入り混じっていた。それらが一気に爆発しないようにグッと抑える。
グルーシャ
「A、何か欲しいものはあるか?」
彼女の希望に応えてあげるつもりでいた。しかし・・・
A
「ううん。今は、グルーシャが側にいてくれるだけで、それで十分・・・。」
グルーシャ
「っ・・・そうか。」
僕は、ステーションにいた看護師に事情を説明する。暫くして担当の医者と看護師が駆け付け、「これは奇跡だ。」と驚きながら話してくれた。その後、話し合いが設けられ、本来の入院期間が短縮した。
A
「入院期間が短縮したのは良かったけど、仕事・・・休職しないと・・・だよね。」
グルーシャ
「・・・」
こんなにも、落ち込んでいる彼女を見たのは、初めてかもしれない。今回の入院の件で、精神的にだいぶ参っているようだった。僕も、入院していた時、同じような状況に陥っていた。1つの才能を刈られた僕が存在する意味等・・・。いっそうなこと、雪のように溶けて消えてしまいたい・・・そう思っていた。
グルーシャ
「あんたには、希望がある。」
A
「え?」
グルーシャ
「僕は、足の怪我で夢を諦めたけど・・・あんたには、夢を諦めないでほしい。」
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ローサ(プロフ) - 古墳くんさん» コメントありがとうございます! (2022年12月29日 20時) (レス) id: 59354f9d86 (このIDを非表示/違反報告)
古墳くん - 続編おめでとうございます! (2022年12月29日 20時) (レス) @page3 id: c471870074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ローサ | 作成日時:2022年12月26日 19時