【募集企画】東方幻想記録物語9巻

気持ちが変わったかもしれない　暗覚 記 ページ3

「貴方は別にいいのよ」


突き放したように冷たい、被華に投げかけた言葉が、頭の中で反復する。その度に、そのことを後悔する。心がズサズサ蝕まれていくのを感じる。

皇被華は外来人で、それにも関わらず記は被華と話し、ともに戦った。力を消費して疲れたし、そもそもあれは一時期の“手伝い”だったので、一時休戦とし、記は家に帰ってきた。


「なんだか、被華には外来人特有の雰囲気が感じられないみたい」


先程までいた戦場とは違い、怖いくらいに静かな森を眺め、静かに呟いた。

今まで記が見てきた外来人というのは、ただの幻想郷に浮かれ、色々とんでもないことを起こしてきた。…しかしながら、被華はそれらの外来人の域に外れている。なので、記にとっては関わりやすいのだ。

外来人をこれほどまでに毛嫌いしてきた記だが、被華との出会いを果たし、少し耐性が付いてきたのかもしれない。最も、それは被華が落ち着いていただけで、他の外来人は被華とは違うのだろうけど。


そして、ふと脳裏に浮かび上がったのは、あのファラーシャ･スカーレット。紫からの情報によると、ファラーシャ･スカーレットがこの幻想郷を丸ごと支配しようとしているとか、そうじゃないとか。


「ファラーシャ、ねぇ…どんな奴なのか検討も付かないわ」


スカーレット、からしてあの紅魔館に住んでいるのだろうけど、あいにく紅魔館への道のりが分からない。乗り込んでファラーシャにどういうことか問いただしたいのだが…。そんな簡単に行くわけがない。

記は、今回のこの異変は、ファラーシャが絡んでいるものではないかと目論を立てている。その“幻想郷の支配”の序章として、ああして住民たちを暴走させたのだろう。

…もしかして、住民たちは全てファラーシャに操られているのでは？


「…確証はないけれど」


これもまた、美しき幻想郷を守るため。

まずは紅魔館までの道のりを、と、縁側から立ちそのまま空を飛んで行った。

ぶっちゃけ普通に仲良くね？　被華→←お久しぶりの幻想郷　八雲蒼

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