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気の合う少女 京森カノン ページ12

「「そうか、双子の妹だ!」」

私が出した答えは、不思議と和華さんとハモった。横にいる志貴は何が何やらという顔だ。ばーか、真面目に勉強しないからそうなるんだよ。

「和華さんも分かったみたいだね。志貴、謎は全て解けた!」

「お前のじっちゃん、アパートの大家じゃねーか……」という志貴の小言はガン無視して、私はさっきファラーシャさん達が歩いて行った廊下を指差す。

「とにかく、今は時間が重要だから、歩きながら話します。行きましょう」

「早くしないと面倒な事になる。世界一私の嫌いなことです」

和華さんは気怠そうに言って、歩き始めた。私と志貴、あと和服のお兄さんと咲夜様が続き、和華さんは淡々と話し始めた。

「ついさっき知った事ですが、ファラーシャさんには妹がいるそうです。ファラーシャさん本人とメイドの十六夜美夜さん、フランちゃん以外は知らないそうですから、咲夜さんはご存知ないでしょう。そして、その妹の能力とは―――『人間以外を操る程度の能力』です」

咲夜様がひゅっと息を飲む。私もついさっき知った事だ。しかも能力をフル回転させてもかなり苦労したのだから、そう簡単には手に入らない情報なのである。
私は和華さんの話を受けて続けた。

「その『人間以外を操る程度の能力』を利用し、妹―――サーシャドール・スカーレットさんはファラーシャさんを乗っ取った。それがさっきの、悪に走ったファラーシャさんの正体です」

「だけどカノン、さっき会ったファラーシャは良い奴そうだったじゃねーか。どういう事なんだ?」

「それは多分……ファラーシャさんは何とかして主導権を奪い返し、乗っ取られた自分を倒せる戦力を整えてるんだと思う。今の取り返した状態がいつまで続くか、ファラーシャさん自身もわからなかったんじゃないかな」

「だからファラーシャ様は、サーシャドール様操るファラーシャ様に対抗できるような人間を集めた……そういう事ね」

「そういう事です、咲夜様。和華さんもそういう事で良いんですよね」

和華さんは静かに頷く。
話をしている間に、私達は『Farasha Scarlet』と銘の入った扉の前に到着していた。「ここが、ファラーシャ達が居る場所か……」と、志貴が唾を飲む。
私と和華さんの目が合う。この人とは二回程度しか会っていないが、なんだか馬が合いそうだ。
私達は息を飲み、咲夜様が戸を叩くのを、静かに見守っていた。

はじまりはじまり 和華→←頭の良い二人 神凪志貴



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フウ(プロフ) - 更新しました (2022年8月2日 9時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 一次的にアクセスできませんって出ました・・・ (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します。少し設定変えます。 (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 記念すべき10巻目!作っておきます! (2022年7月10日 17時) (レス) @page50 id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。 (2022年7月10日 2時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/  
作成日時:2022年4月20日 17時

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