頭の良い二人 神凪志貴 ページ11
若草色の少女と和装の少年が現れたのは、俺達がファラーシャ達を見送ったすぐ後だった。
「さて、着いたみたいですね。和華さん、異変の元凶の場所は分かっていますか?」
「……はい、分かってます。見たところ地下の方に向かってるみたいですね」
ドラゴンレーダーを彷彿とさせる何かを気怠そうに眺める若草色の少女―――和華とか言うようだ―――は、さっきファラーシャと美優が歩いてった方向を指差した。咲夜が一瞬、とんでもなく意表を突かれたみたいな顔をしたような気がしたんだが、気の所為か?
「あっ、あのっ、あなたっ、ちょっと前に紅魔館で会った……」
どもりながら声をあげたのは、俺の隣に居たカノンだった。さっきまでの威勢の良さは何処へやら、俺の右腕を掴んで盾にしている。こいつ、未だにコミュ障拗らせてんだな……。
「あー、えーと京森カノンさんでしたっけ。どうもお久しぶりです。この人は月輪桐真さんらしいです。あー、ちょっと再開を喜んでる場合じゃないんで、私達行きますね」
和華は律儀にぺこりと頭を下げ、そして一歩を踏み出しかけた。月輪桐真とかいう奴も踵を返す。しかし歩き出す直前に、今度は咲夜が二人を引き止めた。
「ちょっと待ちなさい。貴方達、まさかファラーシャ様を狙っているんじゃないでしょうね」
ファラーシャ、という名前に心当たりがないのか、二人は頭の上にはてなマークを浮かべていた。俺は美夜の視界をハッキングしてファラーシャをPDAに映し出し、ファラーシャの魔力の反応を地図上に浮かべたタブと一緒に二人に見せる。
「ファラーシャはこいつだ。お前達が探してるのはこいつで合ってるか?」
「あー……魔力反応の位置的にはそうみたいですね。けど何か……少し違うような……」
煮え切らない返事をする和華。しばらくうーんと唸っている和華は数拍おいて、何か重大な事柄に気付いたかのようにはっと息を吸い込んだ。
和華は「いや、待て……」と顎に手を当てて黙り込んでしまった。そして同時に、カノンも深い思考の海に潜り込んでいる―――なんで分かるかって言ったら、そりゃ幼馴染だからだが。
しばらく静寂が続いた。和華とカノンの独り言だけが聞こえた。しかも不思議と、呟いている台詞は綺麗にハモっている。和華は手元にスマホっぽいものを持って何か調べていて、カノンは時折魂が抜けたような表情をした。
そして和華とカノンは顔を見合わせ、同時に声を出した。
「「そうか、双子の妹だ!」」
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フウ(プロフ) - 更新しました (2022年8月2日 9時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 一次的にアクセスできませんって出ました・・・ (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します。少し設定変えます。 (2022年8月2日 8時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
うp主こと東方好き死神まお(プロフ) - 記念すべき10巻目!作っておきます! (2022年7月10日 17時) (レス) @page50 id: f03e2072c0 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました。 (2022年7月10日 2時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年4月20日 17時