【募集企画】東方幻想記録物語8巻 (ページ39)

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阿礼乙女　？ページ39

阿求side

阿求宅

ここは、私の家だ・・・つまり、一番落ち着ける付ける場所。
それなのに。
さっきから、嫌な予感がしてならない。

(阿礼乙女の血が騒いでいる・・・)

おそらく、妖怪の類いの仕業なんだろうが、幻想郷の妖怪なんて数知れず・・・
気配が近い。

(来るっ・・・！)

その瞬間、黒い何かが渦巻き・・・
仲から、1人の少女が現れた。

「・・・」

その少女の冷酷な瞳を見れば、誰しもが味方ではないんだな、と感じるだろう。

「・・・あの、何のご用です？」【九代目のサヴァン】稗田阿求

「・・・」

彼女は何も言わない。

(ここは、逃げるしか・・・)

そう思ったのに。
体が動かない。
妖力の類いか？
いや、違う。
これは・・・純粋な、恐怖だ。

「・・・」

少女は、私に近寄り・・・
ズウッ

「っ！？」

特に、何かをされたわけではない。
ただ・・・

(妖力が・・・流れこんでくるっ・・・！)

次の瞬間、私は意識を失った。

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？side

・・・成功ね。
さっきのそぶりを見るに、逃げようとしてた様だけど。
馬鹿ね。
私から、逃げられる訳ない。
さて、次は・・・

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鈴奈庵

小鈴side

「はい、ありがとうございました！」【判読眼のビブロフィリア】本居子鈴

去って行く男の人が持つ本を見て、思わずため息が出てしまう。

「『滅亡の回避方法』だなんて。でも、みんなこの手の本ばかり最近購入していくんだから・・・」

これも、異変の類いなんだろうか？
その時、
扉が開いた。

「いらっしゃ・・・って何だ、阿求か」

「何だとは何よ」

「で？どうしたの？」

「ええ、ちょっと借りたい本があって」

「？珍しいわね、それで何を借りたいの？」

「ええ、百鬼夜行絵巻なんだけど」

「えっ！？何で急に？」

「いやあ、古くから伝わる付喪神の絵巻だなんて、記憶しときたいじゃない」

「・・・そ、そう。・・・って、いや、借りられないわよ？」

「はあ？何でよ？」

「だって、それはもう・・・」

ドロン！

「儂の手の中じゃからな」

「ぎゃあっ！ま、マミゾウさん・・・」

「あら？貴方は狸。何の用？」

「ふぉっふぉっふぉ。とぼけたって無駄じゃよ、異変の黒幕めが」