我が家へ ページ1
プロポーズを受けてからは、いろんな事が怒涛のように押し寄せて、目まぐるしい毎日だった。
潤がプロポーズの事を社長さんに報告したら、待ってましたとばかりに事務所のスタッフさん達が動き出して、記者発表の段取りを進めた。
前から探していた、二人で暮らすための新しい部屋に引っ越しもした。
私は、仕事を辞める事にした。
潤が記者発表するまで勘づかれないように、結婚を退職理由にはできなかった。
「どうして？」「辞めてどうするの？」って質問に答えるのが大変だった。
今は残った有休を消化するために、時々休みながら引き継ぎをしている。
１月のある日曜日、私の実家に潤が挨拶に来た。
それまで全然男っ気なかった娘が、久々に実家に帰って来たと思ったら、紹介したい人がいる。近々連れて来るって言うんだから驚きだし。
そうして来たのが、まさかのアイドル。
J「松本潤です。
本来であれば、まずこちらにご挨拶に伺わなければならないのを遅くなってしまって申し訳ありません」
かしこまってる潤を見て家族一同呆然としている。
嵐ファンのお母さんは、驚きのあまりしばらくしゃべれなくなってた。
おしゃべりなお母さんが絶句してる分、普段寡黙なお父さんがたくさん話をしていた事に驚いた。
父「ま、まあ、そんなに固くならずに…。
そうだなぁ…
私はね、嵐の曲はSakuraが好きだな。あの曲の歌詞がすごく好きでね」
J「聞いていただけてるんですね。ありがとうございます」
父「母さんが買い物やドライブ中に車で嵐ばっかりかけるからなぁ」
母「お父さんだって好きでしょ。車に乗ったら自分からかけるんだから」
J「ありがとうございます」
「初耳！お父さんが嵐聞くなんて超意外」
潤と同い年の弟は、もう結婚していて最近実家の近くにマイホームを購入した。
今日は奥さんと１歳の娘と一緒に来てくれた。
弟「松潤が兄ちゃんになんの？……いろいろ大変そうだな」
と、わざとおどけて見せる。
弟は出版社に勤めている。
潤たちもよく載るアイドル雑誌なんかも出版していて、弟はアイドル雑誌担当ではないが、同じ社内にいればいずれはバレるだろう。
J「迷惑かける事になるけど…」
弟「いい記事書くように言っとくよ、兄ちゃん」
J「サンキュー、カズ！」
そうなのよね…
うちの弟、和正って名前で普段みんなから「カズ」って呼ばれてんの。
確か、二宮くんの事も潤は時々カズって呼んでたな。
ややこしい…
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作者名：凪 x他1人 | 作成日時：2016年11月3日 0時
