3話 ページ3
新学期が始まった。クラスに登校すると友達である舞が腕を広げて駆け寄ってくる。舞〜! と叫びながら私も駆け寄ると、隙ありッ! と軽い腹パンを食らわせられる。この子のこういうノリが大好きだ。
「今年もAと同じクラスでよかったあ!」
「ほんとに。うちの学校、専門学校なのに人数多いからクラス替えあるとか心臓に悪いし。ハラハラしちゃった」
席に荷物を置いて、体育館に向かいながら舞と話す。体育館に入ると、舞が「あっ、今日部活勧誘のチラシ配らなきゃいけないんだ」と独り言を溢す。この体育館で、普段堅治達は頑張っている。
こんな感情、馬鹿らしいけど少しだけ舞が羨ましい。バレーを見るのが好きだから、という理由で彼女はマネージャーを始めた。そのおかげで、私と堅治が出会うことが出来たんだけど、堅治のバレーを間近で見れるなんていいな。
私もマネージャーになれば良かったんだろうけど、色恋で入って来られても皆に迷惑かけるだけだもん、と開き直って長い長い校長の新学期の挨拶に1μmだけ耳を傾けてみるけど、面白くない。
最近、自分のことが嫌になることばっかりだな。目を閉じて、色々と考えを巡らせていると、気が付けば始業式自体が終わっていた。私の名前を呼ぶ舞に駆け寄ろうとすると、服の袖を誰かに引かれる。振り向くと堅治が薄く笑ってそこに居た。
「お前寝てただろ」
「寝てないもん。目瞑ってただけだし」
「本当かぁ〜? まぁいいや。お前、今日暇?」
「部活ある」
「黙れ帰宅部。今日チラシ配りしか部活やんないらしいから、寄り道して帰るからな。待ってろよ」
じゃあなー、と手を振り去って行く堅治と入れ替わって、ニヤニヤした笑い顔の舞が近寄ってくる。
「お熱いですなぁ」
「男子小学生みたいな絡みやめてよ」
笑いながら舞と教室に戻る。「寄り道して帰るからな」、なんて。誰もいいよなんて言ってないっつーの。ワガママ。
「A、ニヤけてるよ」
でも、そういうとこも含めて好きになった私の負け。
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志織(プロフ) - 二口がイケメンすぎて戸惑っています。素敵な小説をありがとうございます!! (2017年3月2日 13時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
ゆむ。 - にろくん、イケメンすぎ!! こんな優しいにろくん!! ベタ惚れしました! 更新頑張って下さい!! (2017年2月25日 12時) (レス) id: 9e2eaa455f (このIDを非表示/違反報告)
みやこ(プロフ) - 初めまして、みやこと申します。私は二口を愛してやまないのですがこの小説の二口が素敵すぎて惚れました(笑)文の書き方などもすごいなあと感じ、速攻お気に入りに追加してしまいました。率直に言います、もうファンです(笑)更新頑張ってください! (2017年2月25日 12時) (レス) id: b5adc2eb71 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼのボーノ - 二口いいいいいいいいいいい!!!!イケメン!!惚れます!!いや、もうなんか、ヤバいですね!!この話すごい好きです!!私も小説書いてるんですけど、ぜんぜん面白くならなくて・・・(泣)更新楽しみにしてます!!!頑張って下さい!! (2017年2月25日 10時) (レス) id: be855c2f1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くりぃむわらび | 作成日時:2017年2月24日 23時