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「本日はここまで！
明日の午前中は東のオアシスまで行進だ。徹底的にしごいてやるから、そのつもりでいろ！」
息切れ激しく、立つことも精一杯に、水を求める寮生たち。
「お疲れ様。これ、水とタオル」
「あ、ああ。ありがとう」
前はこんなことをする人じゃなかったのに、と弱音を吐いた。
みんなこんなにも必死だ。頑張っている。
そしてそれを、ジャミル先輩は見つめていた。
虎視眈々と、スナイパーのように、後方から一人、全部が見渡せる位置で。
「やっと終わった。
アイツ、さっきまで超ニコニコした良いヤツだったのに、本当にどうしたんだ？」
ブナ゛〜と言いながら、ポテポテと歩き、しおれた顔で寄って来る。
なんともおじさんみたいでちょっと笑えた。
「可愛い顔が台無しだね。お疲れ様」
グリムに水を渡し、タオルで包み込んであげたところで、
タイミングを謀ったかのようにジャミル先輩が近づいてきた。
「きっと、寮対抗マジフト大会や期末テストでスカラビアの成績が振るわなかったことに責任を感じているんだろう。
アイツは最近、ひどく情緒不安定なんだ」
「情緒不安定ってレベルじゃねーんだゾ！まるで別人じゃねえか」
合間に水とタオルを渡して、みんなで話しながらカリム先輩の様子を窺った。
「俺もアイツとは長い付き合いだが、今のカリムとどう接したものかと困り果てていてな。
言動がコロコロ変わったり、急に横暴になったり、とにかく手に負えない。
こうなる前は寮生全員が寮長であるカリムを慕っていたが、最近のお菓子な様子には戸惑うばかりで
さっきのように突然無茶を言い出すことも多くて」
私とはそれなりに付き合いがあるはずなのに、かなり余所行きな説明ぶりに一抹の違和感を覚えた。
「そんなご丁寧に説明垂れてくれなくても知ってますよ。
誰と話してるつもりなんですか先輩は」
じとりと顔を見上げれば、慌てて訂正する。
「あっ、いや、すまない。
俺も疲れているのかもしれないな」
俺一人の力ではもう限界が見えている、と頭を抱えて。
「うーん。ハーツラビュルのトレイと言い副寮長ってヤツは苦労するんだゾ」
グリムのその言葉を待っていましたと言わんばかりに、ジャミル先輩はそこから自論を展開し始める。その様子は半ば狂乱的ともいえた。
「きらりはこの世界のイレギュラー。今まで他寮の問題を解決してきた輝かしい確かな実績もある。
頼む。力を貸してくれないか」
いつ何時何が起きても自分で何とかする、と言っていた先輩がここまで他人に頼る姿を見るのは初めてだった。
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ハク(プロフ) - ちりさん» ちりさん初めまして！コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないですが、これからも続きますのでよろしくお願いいたします！すごく励みになります！ (2021年2月27日 13時) (
レス) id: 0da3a6c4bf (このIDを非表示/違反報告)
ちり(プロフ) - 続編おめでとうございます！更新楽しみに待ってました！続き楽しみにしてます！ (2021年2月1日 23時) (レス) id: 8fda52038f (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - ナツロさん» ナツロさんはじめまして！ありがとうございます！恐縮です！ (2020年11月2日 17時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
ナツロ - とても素敵なお話ですね。陰ながら応援させて頂きます (2020年10月24日 13時) (レス) id: 49a0e1785e (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 雪華さん» 雪華さんはじめまして！小さい頃以来触れていないのでどっぷりハマるくらい浸ってはいないですが、一応履修済みです。エドが初恋でした！唐突な質問の言い出しっぺである雪華さんはいかがですか！？誰推しでした？ (2020年10月13日 1時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハク | 作成日時：2020年10月12日 12時
