〈ツイステ〉魔法が効かない監督生 ３

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＿＿＿＿＿夢を、見ていた。



「あ、いたいた。こっち〜！」


気分屋な少年が声を掛ける。


「フロイド君たちごめん〜〜、抜け出すのちょっと遅くなっちゃった」


女の子が軽く謝った。


「そんなに待っていないので大丈夫ですよ。
それに貴女を待たせるなんてご法度。僕たちが先に来るべきですから。ねえ、アズール？」


紳士的な少年が含みのある言い方でいつもみたいにイジった。


「余計なことを言うなよ！
んん゛っ、それできらりさん。今日は何でこんな夜に？」


タコ足の少年が言った。


「そう！今日はねえ、流星群が見えるんだって。
ここなら暗いし、何よりみんなと一緒に見たかったの。

だってほら、こないだ初めて自分の目で月とお星さま見てすごい感動したんでしょ？」


絶対もっと感動するよ、と女の子ははしゃいでいた。


実際、４人で見た真夏の特大流星群は
全員が釘付け。目を奪われてしまうくらいに綺麗だった。



「星が、落ちてきてんじゃん」


気分屋な少年が呟いた。


「掴めそうだ、、、」


タコ足の少年は夜空に手を伸ばした。


紳士的な少年はただただ、何も言わずに星空を眺めていた。


「いけない、ちゃんとお願い事しなきゃ」


女の子が突如しだした、彼らからしたら理解できない行動に
少年たちは戸惑った。


「きらり何してんの？」


気分屋な少年が女の子に尋ねた。


「フロイド君たちの方にはそういうのないのかあ。
私たち人間の中では、“流れ星に願いを唱えると叶う”っていうおまじないがあってね。
だから天の神様にお願いしてるの」


手を合わせ指を絡めて何かを願う彼女を見て人魚3人は顔を見合わせた。


「そもそもカミサマ、とはなんのことです？」


紳士的な少年が聞いた。


「ジェイド君難しいこと聞くな〜？
神様、、、うーん。なんて説明しよう」


女の子の言葉の続きを少年たちは愉しそうに待った。


「私の勝手な解釈だけど神様は

私たちを見守っていてくれていて、
私たちの知らないことを知っていて、優しく導いてくれる。

絶対無理ってイヤな状況も、神様なら難なくどうにかしちゃうんだ。

その人にとっての希望っていうか、救いというか、信じる対象っていうか。

うーんやっぱり難しい！」



女の子が何とか捻りだしていた間にも、
天にはたくさんの星が降っていた。


陸の人間と海の人魚。
まるで異種族間の交流を祝福するかのように。



星の美しさを知った。

カミサマという存在を知った。


人魚たちは、この日のことを強く覚えていた。





＿＿＿＿＿そんな、夢を見ていた。

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