柱の少女の物語３〈鬼滅の刃〉

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刹那。

無一郎の右腕と蜜璃ちゃんの左脚が飛ぶ。
鮮血が血飛沫として散る。


「お前らに用はない」









見えなかった。
剣先が、攻撃が、動きが、見えなかった。
渾身の一撃が、ああも簡単に。



痛い、痛い痛い。痛い。根元から持ってかれた。
はじめて、こんなにも身体の芯から感じる恐怖。
僕の呼吸では通用しない。

出血が酷い。悪寒、冷汗。
これでは刀が握れない。

役に、立つことができない。

甘露寺さんも足が飛んでいる。








「っっ！？無一郎！！蜜璃ちゃん！！！」

くっそムカつく、私が一呼吸置いている間に2人をぶった斬ったっていうのか。ほんの数秒で。


やばい。わたしたちの損害が大きすぎる。2人の出血が酷い。
このままでは数分で失血死だ。
急激な失血で意識も危うい。


無一郎は腋窩と鎖骨下動脈が危ない。心臓から近いから余計に。
蜜璃ちゃんも大腿、膝窩動脈がやばい。



「、、、余所見している場合か？」


相変わらず休む暇を与えてくれない。

どうする。時間がない。猶予がない。
このままでは2人が死ぬ。それだけはダメだ。
それならば私が死んだ方がマシ。




、、、私が？



そうか。相手の目的は私。私さえ手に入れば良い。


そうか。単純なことだった。
鬼殺に迷惑をかけず、損害を出さずに事を済ませる方法。




意図的に、私は戦うのをやめる。
刀を鞘に納める。

黒死牟とは秒単位で技の撃ち合いをしていたのでもちろん、私は今放たれた全ての斬撃を受けることになる。


「！？」

いきなりのことに黒死牟さんもびっくり。


全身が斬れる。が、秒で元に戻る。
でも痛いのは一瞬。治癒様様だ。まるで鬼の再生のよう。


「、、、諦めでもしたのか？」

その様子を見て黒死牟さんも刀を納める。


「、ううん。そうではないんだけど」


その言葉とともに一歩一歩、彼との距離を詰める。

2人のその距離はおよそ2尺。


「あなたの目的って私を連れて行くことだよね？」


「、、、如何にも」


「うん。じゃあ私も取引しよう。
わたしはこのまま大人しくあなたについて行く。
その代わりにここで私に時間を少しちょうだい。2人を治したい」


一か八か。
認めてくれなければ困る。例え認めてくれなくても私は2人を助ける為に力を使う。


「あなたの無惨様には秘密にして？
今だってテレパシー的なのガン無視してるんでしょ？だから炭治郎も逃した。鬼舞辻無惨ならそれを許さない」


知ってるんだから。
君たちが謎テレパシーで脳内会話してるのは。

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