柱の少女の物語３〈鬼滅の刃〉

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一撃一撃が重い。
月の呼吸、いわば本家の洗練された技と、単純なパワーの差。
あー悔しい。治癒発動してなければ多分切り傷だらけだ。


「抜いた刀身すら、、、見えない、、、
女子ながら、、よくぞそこまで道を極めた、、ものだ、、、」

「それはどうも」

「きらりちゃん聞く耳なんて持っちゃだめよ。
話が通じる相手じゃなさそうだわ」

「、だよねぇ」


蜜璃ちゃん、無一郎ともに満身創痍。

嫌らしい。黒死牟さんは私に2人と接触できる機会をわざと与えない。
これでは2人の治癒ができない。

「良い、実に良い、、、想像以上に良いぞ、、、
月神、、、きらり、、、」

「僕のきらりにッ！気安く話しかけないで！！」

「、ほう、、、霞か、、、」


だめだ。向こうはまだ余裕じゃないか。

今2人は、特に無一郎は黒死牟さんと出会って戦って欲しくない。
君の死に場所はここじゃない。
私がいるところで死なせてたまるか。

救える命も、救えないはずだった命も、私が救うんだ。


「炭治郎！！玄弥くん！！」

まずはこの2人。未来を担う2人。

こうやって話しているうちにも止まる事なく私に迫る技の数々。なんとか躱したり受け流しながら言葉を紡ぐ。

それにしてもしつこい。しつこいなあ黒死牟さん。
集中して私ばっか狙いよって。


「っ！は、はい！」

ドキドキだよね。この人すんごい殺気出してるもんねえ。
いきなりのことすぎて何が起こってるかなんてわかんないよね。

「2人に任務を命じる！
これから真っ直ぐに、寄り道する事なく本部に戻ってこの事を耀哉に伝えて！
その後は耀哉の指示に従って！！」

「っ！！でも！！それじゃあ！」

これが君たちを上手く逃す口実だってことに炭治郎は気づいてしまう。
でもね、おそらく今の黒死牟さんの第一優先は私。
炭治郎は2番手のはず。おそらく彼は追わない。


「、、、これはっ！柱命令だよ！！」

こうでもしないと、命令じゃないと、たぶん2人はここから撤退してくれないと思うから。

「炭治郎馬鹿かお前！！月神さんの心遣いを無駄にするな！！」

「ッッ！！それでも！！月神さんッ！！」

2人を安全に逃すため、命令という名目で。


ごめん。黒死牟さんから目が離せないからそっちは向けないけど、

「あとは、頼んだよ」

できる限り優しい声色で。
これが最後かもしれないから。


正直自信はない。


せめて万全の悲鳴嶼さん、不死川さんと共闘なら勝機が見えた。かもしれない。

杏寿郎もいて欲しかった。

柱男性陣がいれば。
そして私が常に治癒発動で戦えれば。

この期に及んで たられば ばかりだ。

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