柱の少女の物語３〈鬼滅の刃〉

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鴉からの緊急伝令により、胡蝶たちとともに里へ向かった。

確か今、里にはきらりと時透がいる。
甘露寺も駆けつけたと聞いた。

歴代でも珍しい才能の持ち主である3人がいるならば軒並み捌ききれているだろうと、あまく見ていた。


しかし来てみればどうだ。
何処にも鬼の姿はない。

眼前の大木の下に甘露寺と時透が綺麗なままで眠っていた。

何処にも、きらりの姿がない。


「おい、どういう事だこれは」



そう言うと、後ろで2人の少年が膝を折り
大粒の涙を流し出す。


「これは、きらりの髪留めと羽織だ」

大木の下の2人の状態を見に行った冨岡が言う。


いいや、俺は信じない。


「これは、最悪の事態となりました、、、」

胡蝶が声を震わせながら言う。


待て、その先は聞きたくない


「時透くんの袖の切れた右腕、蜜璃ちゃんの不自然なところで切れている靴下、
衣服には血が染みているのにも関わらず、本人達に外傷はない。

これは、鬼との戦闘による外傷をきらりちゃんが治癒を施したということ。

しかしここに鬼どころかきらりちゃんの姿もありません。

竃門くんと不死川くんの言動を考えるとこれは、」


何を、言っている。


「やめろ、やめてくれ」


「きらりちゃんは、鬼に、連れ去られました」




否、信じない。俺は信じない。

信じたく、ない


そもそもはこの少年たちが役に立たないから月は連れ去られたのではないか。

足手纏いほど戦闘において邪魔なものはない。



「おいお前達」

ただ膝を地面につけて涙を流し続けるだけの少年たちを見る。

腹立たしい。

泣き喚く事しかできないのか。


「月たちが相手にしていたのは十二鬼月だろう。
上弦の鬼か？」

「上弦の、壱、でした」

「何故皆を置いて逃げた」

「っ、俺だって！逃げたくて逃げた訳ではありません！しかし柱命令と言われて、」

「ほう、ここに来て言い訳を述べるか」

「！？、そんなつもりはっ、」

「黙れ」

竃門炭治郎の胸ぐらを掴む。



「現場にいながらお前は何もしなかった。

どんな点で戦況に加勢した？
離れた場所から見ていただけだろう？
違うか？

お前らを逃すための、月の優しさを鵜呑みにした。
何か出来たかもしれないその可能性すら諦めた。

俺はお前たちを赦さないぞ」


この湧き溢れて止まらない、行き場の無い怒りをどうしようかと思っていた時、


草陰から鴉が現れた。

「お前は、きらりの。鴉は遺されたか」


そうして何度も繰り返しこの言葉を言う。

「ワタシは多分殺サレナイ
生キテイラレル策が有ル
信ジテ
ミンナはヤルベキ事をシテ」

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