黄色い丸 ページ4
「そういえば、あの子がドアの隙間からずっと見てきてるんだけど何か用でもあるのかな？」
ドアの奥から覗き込むようにしてこちらを見つめる丸が、Aは気になっていた。
こちらに興味があるようなのだが、
なんというかその、
気のせいかもしれないが、敵対心を持たれているような、、。
黄色い丸の背中にうっすらと禍々しい、こう、何か重たいものを感じるような気がするのだ、、。
「おや、珍しいねジョン。
人見知りかい？滅多にしないのだがね」
おいで、とドラルクが手を広げるものの、
ドアの隙間から覗くばかりで来る気配がない。
「ドラルクさんのペット？」
「あいつはジョン、
糞砂の使い魔だ」
「はえ〜…」
ものすごく凝視されている。
これでもかというほどに。
なんだ、一体なんなんだ。
使い魔なのにドラルクさんはあの禍々しい何かを感じ取れないのか。
見た目可愛いけど。
私なんか嫌われることしたかな。
「私警戒されてる？？」
「なんだろうな、いつもフレンドリーだからほんとに珍しいぜ。おいどうしたジョン」
「あ、ドア閉めた」
パタンと戸を閉めてしまったジョンにドラルクは首を傾げ、続くようにしてロナルドも首を傾げた。
「Aさんがお綺麗で恥ずかしかったのかもしれませんなぁ」
ドラルクはニコニコと笑いながらAに言う。
どう考えても違うと思うが、
まぁ相性はあるから私の何かが苦手なのかもしれないなと思った。
ふと時計に目をやると、
0:00を過ぎている。
「とりあえず任務も終わったことだし、私はそろそろ家に帰るわ」
「ああ、またな。
帰国早々ご苦労だった」
「是非またいらしてください」
荷物を持ち、私はロナルド事務所を後にした。
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作者名：kirakira0804 | 作成日時：2023年8月27日 4時
