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風来坊 ページ3

ロナルド事務所にて

「久しぶりだな」
「ほんとにね、キョンシーは結構厄介だったよ」
「1ヶ月もかかったんだもんな」
「すぐに別の土地に行かされて他の吸血鬼もハントしてたからね。まったく、人使いが粗いんだよ」
「俺らからしたら、海外からお声が掛かるなんて鼻が高いことだがね」


ソファに腰かけてロナルドと話をしていると、
慣れた手つきでティーカップと茶菓子を持ってくるドラルク。

「Aさんは海外に行っておられたのですな」
「…うん。まあね」
「Aはすげぇんだぞ。
齢19にして世界中を旅していてな。
新横の風来坊と言ったらAのことだ」
「ほほお」

語り終えると、渡されたコーヒーを啜るロナルド。
Aは首を傾げ、不服そうに言った。


「風来坊は何か違くないか?」
「それだけ色んなところに行っていると言うことなのでしょうなぁ」


ドラルクが、上品にカップを机に置く。
続いて、菓子を添えると、
Aは会話そっちのけで目を輝かせた。


「りんごジャムだ、、!
私すごく好きなの!」


クッキーの上にリンゴジャムが添えられたお菓子を、
キラキラとした眼差しで嬉しそうに頬張る。


「お砂糖は多め、ミルクは少なめで良いかな?」
「うん!ありがとう!」


受け取った砂糖とミルクを入れて、
よくかき混ぜる。
Aは機嫌が良さそうに、
ニコニコしながら香りを嗅ぐ。
嬉しさを表すかのように頬が赤らみ、
カップに一口付けた。

アップルティーはAの好物だった。


「次はいつ行くんだ?」
「うーん、今の所急な仕事が入らなきゃ約1ヶ月後ってところだね。でもこの職業だし、きっと予定通りには行かないよ」
「そうだな、
それまでは新横で手伝ってくれると考えると助かるぜ」

 

黄色い丸→←砂吸血鬼



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作者名:kirakira0804 | 作成日時:2023年8月27日 4時

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