砂吸血鬼 ページ2
「くそ、まだ仲間が残っていたか」
すぐさまブーメランに手をかけ、戦闘態勢に入ろうとした。
しかし、私は思わず動きを止める。
目の前の吸血鬼が、襲ってくる様子もなく
ただじっと私を見てくるからだ。
「な、なんだお前。
さっきのやつの仲間にしては見た目が全然違うが」
「これはこれは…！失礼しました」
Aの言葉に、我を取り戻しハッとした目の前の人物は、胸に手を当て上品にお辞儀をしてきた。
敵ではない、、のか？
と、唖然として見ていると、
目の前の人物は、私の片方の手を取り、
そこに軽く音を立てて口づけをした。
「あなたのルビーのように美しい瞳に見惚れておりました。
私、ドラルクと申します。
助けていただき、ありがとうございます」
「な、ななななななな」
咄嗟のことに戸惑い、反射的にその手を振り払う。
顔が熱くなっていくのを感じた。
「貴様、高等吸血鬼だな。
このようなことをして、何を企んでいる。」
「…」
赤らんだAの顔をじっと見つめるドラルク。
「お前の策略には乗らないぞ」
「今ここで貴様を退治する」
と言い続けている彼女の言葉は、ドラルクには届いていなかった。
「失敬、あなたのお名前をお聞きしてもよろしいですかな」
「ふん、今から退治される吸血鬼に教える名など無い！」
「え、ちょまっ、私は善良な吸血鬼だから！
まってまって！その物騒なものから今すぐ手を離して！」
我に帰ったドラルクは、自分の置かれた状況に気づき、
慌てて弁解する。
しかし、取り乱している彼女は聞く耳を持たない。
「わー！まって！ちょっと、いやー！！」
「待てA!」
ブーメランを投げようとした寸前に、
手首を抑えられ攻撃を静止された。
誰だ、と振り返ると、
そこには仕事仲間のロナルドがいた。
「そいつは悪い奴じゃねんだ」
「ロナルドくん！！でかしたぞ！さすが私の護えiスナァァ…」
自分で攻撃やめさせたくせに自分で殺すってなんやねん！？と、まだ半パニック状態のAは思った。
しかし、死んだと思われ砂と化した吸血鬼は、すぐさまもとに戻る。
「ロナルドくん！何をするんだね！救った命を自分から壊しに行くとは、どんなサイコパスだ！」
「黙れこのボケ砂クソ砂誰がてめぇの護衛だ畜生」
あ、そういえば、
ロナ戦にすぐ死ぬクソ雑魚吸血鬼なんてのがいたような…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kirakira0804 | 作成日時：2023年8月27日 4時
