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心に沈む父の教え ページ26

松「本っ当に申し訳ありませんでした!!」

私はあの後、屯所に帰り、

手当てをしてもらっていたところに

松ちゃんが来た。

あ「大丈夫だよ松ちゃん。顔上げて?」

松「でもっ!!私がちゃんと
言わなかったせいでAさんが怪我されてっ!!」

あ「これは私の力不足だよ。
それに隊士でもない私に
頭を下げる事なんかないよ。」

松「そんなことありません!!」

急に松ちゃんが声を荒げた。

そして必死な目で訴えてくる。

松「初めて会った時、Aさんは私を気遣ってくださりました!!
一度しか話したことのない私を
覚えていてくださいました!!
ここに売られて来て、優しさに
触れたことのない私にも分け隔てなく
接してくださいました!!あなたは私の
憧れの存在なんです!!」

あ「松ちゃん……。」

私のことそんなに思ってくれてたんだ

松「私が売られる前……
父が生きている頃……よく言われました『自由に生きろ』と。
私はできなかった。父の願いを叶えられなかった。
今はその言葉の意味すら
わからないんです。」

松ちゃんの目から泪が溢れ出す。

自由に……か。

簡単そうで……一度難しいことだな。

松「父も……あなたと一緒でした。
父はとても自由だった。とても優しい背中をしてた。
……でも…とても悲しい背中をしてた。きっと後悔したことが
あるんだと思います。きっと……私はもう、
そんな思いをする人が出てほしくないんです!!」

松ちゃんが涙に詰まりながらも

一生懸命に訴える姿を

私はただ黙って見ていた。

松「あなたも……同じ背中をしています。
私なんか……頼りないと思うけど
辛いことがあったら話してください。
捌け口ぐらいにはなると思うんで。」


震える松ちゃんの手に私はそっと自分の手を重ねた。

私は私の荷をこんな優しい子に押し付ける訳にはいかない。

あ「松ちゃん。ありがとう。
その言葉だけで十分だよ。私のことは
訳あって今は言えない。
松ちゃん、お父さんが言ったことの意味探してるんだよね?
私も一緒に探すよ。」

松ちゃんが弾けたようにうつむいていた顔を上げた。

あ「私も頼ってばっかじゃダメだし松ちゃんの力にもなりたいから。」

松「本当ですか?」

松ちゃんの頬に新しい涙の跡が増えていく。

あ「その代わり、私が困った時には
よろしくね?」

松「ハイ!!」

松ちゃんはもう泣いてはいなかった。

私は知らなかった。

彼女の笑顔の裏に

尋常ではないほどの

悲しい過去が隠れているなんて

秘密だけなら:沖田サイド→←兎と獣



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作品ジャンル:アニメ
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mire(プロフ) - カノさん» 間違ってはいませんね(笑)死んでると言えば死んでます (2013年5月8日 23時) (レス) id: 78b848b8e3 (このIDを非表示/違反報告)
カノ(プロフ) - 自分からすると、主人公は死んだ眼だと思っておるw (2013年5月8日 22時) (レス) id: 4edb2420ed (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 闇桜さん» 感想ありがとうございます!女はやっぱり怖いですよね……私も女ですが(笑) (2013年1月22日 7時) (レス) id: e16e558533 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - いじめ風味になるかもしれません……あくまでも『風味』なのでご安心をっ(汗) (2013年1月21日 23時) (レス) id: e16e558533 (このIDを非表示/違反報告)
- いじめか!?いじめなのか!!? 女中ェ.....← (2013年1月21日 22時) (レス) id: f128517f21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mire | 作成日時:2013年1月17日 10時

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