ネズミの君と

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ミツさんは一生懸命服で携帯を拭いている



「服、汚れちゃうよ。」


北「もともと汚れてるから大丈夫。」


「ミツさんってそれしか服ないんですか？」


北「、、、、。」





ミツさんが喋らないときは

本当にしんどくなって喋らないのと

聞かれたくないことを聞かれたときに黙り込む







「持ってないんですね。」


北「ありますー。」








こんな風に子供っぽい返し方をするミツさんはかわいい。

いつも同じ服しか来てないからそういわれるのに。笑

今度なんかTシャツかなんか持ってこようかな。









北「充電がないのかも」


「ほんとにそれだけ？」


北「わかんないけど」




そう言って私に携帯を差し出してきた





「なに？」


北「横尾さんに渡してきて」


「ん。」


北「またね。」








ミツさんはのそのそとベットに向かい寝てしまった


今日はなんだかたくさん話せたような気がする

さっき隣に座った時もうちょっとくっついとけばよかった







隅に置いていた自分の荷物を持ち、部屋を出ようとしたとき

いつも砂嵐のテレビにニュースが映っていた

消音になっていて気が付かなかったけど

同じ内容が繰り返し流れていた







「なにこれ。」







勝手に触ったりするとミツさんに悪いかもしれないけど

今は好奇心のほうが勝ってしまった

いつも砂嵐なのにどうしてこんなの見てたんだろ




私はミツさんにばれないように音量を少し上げた









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本日、夕方ごろ交通事故が発生しました


事故に会ったのは事故付近に住んでいる・玉森裕太さん


ぶつかった時の衝撃が激しく、意識不明の重体です


警察は防犯カメラを確認したところ玉森さんが自ら車の前に飛び出したと報告しており


詳しく調査をしています


また運転手については詳細を公表しておりません









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ちょうどこの近くで見たことのある道だった


ただただそのニュースが流れるだけでなんでこんなものを見ているのかがわからない


玉森さんが歩いている姿をとらえている防犯カメラの映像が流れるだけで


他には何も情報がないニュースだった







「ミツさんと何か関係があるの？」





ミツさんがこの世界に閉じこもってしまった理由が


このニュースに、玉森裕太さんにあるような気がして


仕方がなかった


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