第十一話 ページ15
Aside
僕がそこ迄考えた時、
太「如何した、敦君?」
と中島さんに問いかけた。
だが、中島さんは姿勢を低く保ったまま店の出口を向いて
敦「ぼぼぼ、僕はこれで失礼します...さようなら...」
と店から出ていこうとする。
此の儘では僕がお暇する前に中島さんがお暇してしまう。
そうなればきっと太宰さん僕を問い詰めようとするだろう。其れだけは避けたい。
そう思った時、国木田さんが「待て。」と言って中島さんの首襟の方を掴む。
そして逃げ場を失った中島さんは、酷く怯えた声で
敦「無理だ!や、奴に人が適う訳が無い!!」
そう叫んだ。
そして国木田さんが
国「貴様、"人食い虎"を知っているのか?」
と問いかける。
敦「彼奴は僕を狙ってる!殺されかけたんだ!!この辺に出たなら早く逃げないと...!」
そして中島さんが逃げようと藻掻く。
その時、国木田さんが掴んでいた首襟を離し、其れにより前へと倒れた中島さんの右腕を掴み其の儘地面へと伏せさせ、逃げ道を奪った。
痛そうだなァ...。
国「云っただろう。武装探偵社は荒事専門だと。茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな。」
そう言って国木田さんは腕の力をもっと強くする。
敦「うっ...!」
太「まぁまぁ国木田君、君がやると情報収集が尋問になる。社長にいつも云われているじゃないか。」
中島さんが余りにも辛そうなので僕も声を掛ける。
『離してあげてくださいよ、食べたばかりですし苦しそうじゃァ無いですか。其れに、貴方方なら逃げても直ぐに捕まえられるでしょう?』
国「...ふん。」
国木田さんは僕と太宰さんにそう言われて、中島さんを解放した。
『大丈夫かい?中島さん。』
そしてまた4人とも席に着く。
其れから中島さんへの質問をし始める。
其の内容を纏めると、
虎に孤児院を壊されて口減らしに追い出され、その挙句、虎に追いかけられているという。
太「其れは何時の話?」
敦「院を出たのが2週間前、川で彼奴を見たのが──4日前。」
川で見た...?
この辺りの川は開けている為、逃げ場は無く、唯の人間が逃げ切る何て不可能に等しい。
腹を好かせた虎から逃げるとなると...尚更。
矢張り、僕が考えた通り、虎の正体は...異能力が暴走していた中島さん、なのか?
太宰さん達は其れに気が付いているのか...?
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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時