第十三話 ページ17
Aside
倉庫に到着し、太宰さんは近くにあった荷物箱の上に座って何やら本屋では売っていけなさそうな本を読み始めた。
中島さんは、虎が矢張り怖い様で、辺りをキョロキョロ見回しながら蹲って怯えていた。
僕は太宰さんと中島さんが見える位置にある、高い所の荷物箱の上に座っている。
なァんか、中島さんを見ていると路地裏の子猫達を思い出してしまうなァ。人に捨てられ物凄く怯えていて、衰弱仕切っていた。
そんな事を考えながら、中島さんと太宰さんの会話を見守る。
すると、心配そうに口を開いた。
敦「...本当に、此処に現れるんですか?」
其の疑問は、当たり前に浮かぶ疑問だ。
但し、虎の正体が分からない場合のみ。
だから、太宰さんは自信を込めて
太「本当だよ。」
と返した。
矢張り太宰さんも分かっているのだろう。虎の正体が。
其れでも心配そうに見てくる中島さんを見て、
太「心配いらない。虎が現れても私の敵じゃないよ。こう見えても"武装探偵社"の一隅だ。」
と言った。それに対して中島さんは、
敦「はは...凄いですね。自身のある人は。僕なんか孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われて──。そのうえ今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で...こんな奴がどこで野垂れ死んだって、否...いっそ食われて死んだ方が──」
そんな事を言った。
僕は其の言葉に対し思わず、
『中島さん。自分を自分で否定してはいけない。誰かに、どんな事を言われたって、否定されたって、自分を自分で否定するのは駄目だ。認められたいなら僕が、中島さんを肯定する。認めるよ。だから、中島さんも自分の事を否定するのは辞めなよ。』
と返してしまった。
だが後悔はしない。
僕の言葉を聞いた中島さんは、驚いた顔ををし、そして泣きそうな表情に変わった。其の顔はきっと悲しみから来るものでは無いだろう。
と、その時。
倉庫の奥でガタン!と言う音がして、其れに中島さんが反応した。
そしてまた、先程の怯えた表情に戻り、
敦「今、其所で物音が...!」
と軽くパニックになり始める。
其れに対し太宰さんは、
太「そうだね。」
と冷静に返す。
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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時